Love Sick!

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6限目 現代社会

共同授業が終わり、本日最後の授業は、現代社会だ。
しかし、現社の授業って・・・暇。

私は、社会は好き。
だけど、ただ話を聞くだけなんてつまらない。この先生は、ただつらつらと話をするだけで、ぼーっとしている生徒も数多く見受けられる。みんな、よく眠らないよね。まあ、寝たら追加課題出されるからかな・・・。

これなら、眠気なんてやって来ない程の緊張感がある片倉先生の授業の方がましではないかとさえ思えてくる。
ぼんやりと窓の外を眺めることにも飽きた私は、落書きを始めた。


「・・・1925年の普通選挙法により・・・」

なにも考えずに、ただ手を白いノートの上で動かすとスルスルとノートに現れるシャーペンの黒。

ボーッとしている中で、頭に浮かんだ彼を描く。

眠くて、ぼんやりとしていたのが失敗だった。
眠気でふらっとした瞬間に、私は、自分自身の指に思いきりシャーペンの先を突き刺してしまった。

「痛・・・」

深く刺した指から流れる血液。
深く刺し過ぎて、抜くのも痛い。けれど、勢いだけで抜いた。めっちゃ痛い。痛みで声を上げない私を褒めて欲しいくらいだ!
私は、血を見るのも触るのも苦手で、刺さってしまったシャーペンを抜いたはいいけれど、そのままおろおろしていたら、先ほど描いた落書きにぽたぽたと血が落ちる。

この赤が嫌い。怖い。
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