あるけみすと短編

□白樺ティータイム
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数十年の付き合いを終え、安らかに眠っていて所を叩き起こされ転生させられた場所には、かつての親友もいた。

女の趣味は合わないと思っていたが、生憎転生後の居場所に女は1人しかいないし、その唯一の女はとても気配りが出来る優秀なアルケミストだった。

「梶井さん来なかったんだけど!!?
川端さんも正宗さんも来なかったし!!」
「しかも、坪内さんの期限に間に合ってなかったし」
「う、うわぁああ、傷を抉らないで!」

兎にも角にも、『優秀な』アルケミストである。

×××

「図書館での勤務に於いて、最も緊張するのは、文豪の皆さんが揃いも揃ってイケメンな事ですね」
「え、そこ?潜書とか錬金術とかじゃないの?」
「うーん、招魂失敗し続けてますけど、私、基本的に優秀なアルケミストなので錬金術は大丈夫です」
「言うねえ」
「徳田さん、転生初日に泉さんを会わせた私に感謝してくれも良くってよ?」
「鏡花が居ない生活をもう少し謳歌したかったよ」
「ええ・・そんなこと言わないでくださいよ・」

本日の助手は、帝國図書館最古参の徳田秋声だ。
彼は司書との生活が最も長い故、仕事中に冗談を言い合ったりする様な仲になった。

「さて、僕はもう仕事を終えたけど、司書さんは?」
「私も終わりました!
最近は司書業務がメインで助かりますね、午後から錬金術の研究に時間を当てられますし」
「お疲れ様。じゃあ、今日はもういいね?
僕も新しい作品を思い付いたんだ」
「いいですね、完成を楽しみにしてます!
今日はありがとうございました」

助手は完成した書類を司書に渡して、部屋を後にする。

司書も本日の業務は終えたので一度休憩をして、また夜から錬金術の研究を進める事に決めて席を立つ。
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