*人魚姫の涙の意味は……*

□四章《繋がれた手は思ってたより大きくて》
3ページ/3ページ




「もしかして、まさか!!百さんのか……むぐっ」

「ちょっと陸、本当に落ち着こうか!そこデリケートなとこだから!!」


またもう一人の三月と呼ばれた子に口をふさがれる陸君、なんだかかわいいなぁ


「陸も三月も落ち着いて。彼女は柚葉ちゃん。この間ちょっと知り合って今日はモモちゃんに付き合ってもらってるんだよっ!」

「そうなんですね、すっごい綺麗な人だからてっきり……」

「だから陸!そこダメだから!!すみません百さん!!」

「あははいいよ!三月!」

「柚葉さんも騒がせてすみません」

「あ、ご、ごめんなさいっ!」


二人に謝られ、私が困ったように百さんを見ると「俺の可愛い後輩の陸と三月!IDOLISH7てグループなんだ」と紹介された。

なるほど!どっかで見たことあると思ったら……またやばい人に知り合ってしまった気がする……!!!


私はスマホで「はじめまして」と簡単な挨拶を打ち込む。

スマホで挨拶する私を疑問に思った二人が首をかしげていると、私が説明するより先に百さんが説明してくれた。


「柚葉ちゃん、声が出ないんだ。だからスマホでこうやって文字を打って話しててさ」

「そうだったんですねっ!なんだか人魚姫みたいですね!」

「こら陸っ!!」

「え?あ、ごめんなさい、柚葉さんすごく綺麗な人だからなんだか昔本で読んだ人魚姫みたいだなって……不謹慎でした……」


しゅんと目の前でされるとなんだか頭をなでたくなってしまう、子犬みたいだ。


『気にしないで、むしろ人魚姫なんて……そんなに綺麗でもないのにありがとう』


そう打って笑いかけると陸君はなんだか顔を赤くしてしまった。


「なんだか邪魔して本当にすみませんでした!じゃあ俺と陸はそろそろ……」

『もしよかったらせっかくだからみんなで回りませんか?』



とっさにそういえば、彼らだけでなく横にいた百さんまで目を丸くするのだった、


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ