*i7*
□*I`m foud of you......*
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「はぁ……」
ドタキャンされて一週間が経った。
私は仕事先からの帰り道で、今日何度確認したかわからない彼からの連絡を確認する。
あれ以来モモから連絡は一切ない。簡潔な文章でもドタキャンした後は決まって次の日取りをすぐに連絡してきてくれたのに。
本当にもう潮時かもしれない。
大きな看板になっている愛おしい人は、いくらテレビで見れてもCDで声が聴けても、本物に触れることすらできないのだから。
「ちゃんと、言わなきゃかな……」
「あの……」
「?」
突然声をかけられ、私は思わず飛び上がった。
振り返れば必死にすみませんと謝る少し年下の女の子。
髪はふわふわで、目もクリッとしていて、全体的に可愛い系、きっとモモのタイプだ。
「あの……何か?」
「え、えっと、名無しさんさんですよね?」
何で名前を知っているんだろう。
何この子ちょっと怖い……そう思い早めに会話を切って立ち去ろうとする。
「私、百さんに伝言を頼まれて……」
「え……あ、いえ、私は百さんなんて知りませんので」
やばい、芸能記者の人だったらこれはまずい。
モモに迷惑がかかってしまう。
「い、今から私と一緒に来てください!!お願いします!」
「はい??」
「百さんが、どうしても来てほしい、名無しさんに話したいことがあるからマネ子ちゃ……じゃなくて私と一緒に来てくださいって」
マネ子ちゃん?
目の前でわたわたしてるところを見る限り芸能記者ではないみたいだし……でもむやみについていくには……
「私、小鳥遊紡といいますっ!気軽に紡って呼んでください」
「読んでくださいって言われても……あれ?小鳥遊って……」
確か事務所の……。
「と、とりあえず行きましょう!ね?」
結局押され負けてしまい、私は彼女に車に拉致られてしまう。
小鳥遊といえば確かIDOLISH7の事務所のはずだ。
最近Re:valeとも仲が良く、見ていてとても元気になれるグループで、私も最近はファンの一人だ。
そのまま10分くらいの間、紡さんはずっと喋っていてくれてついてすぐ建物の中に入れられた。
「ここです、どうぞ」
「ここって……」
「百さんの言う通り、本当に可愛い人ですね。自慢したくなる気持ちわかります」
「……可愛くなんてないです……」
可愛くなんてない。
だって我儘ばっかりだ。
モモは頑張ってるのに、夢に向かって必死に頑張ってるのに、それを笑顔で許容できない私は本当に彼女失格だ。
「別れ話、ですかね?」