*i7*
□*I`m foud of you......*
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『ごめんね、今日も急な仕事になっちゃって……』
「ううん、大丈夫!仕方ないもん!応援してるからがんばってね!」
『ありがとう!本当にごめんねっ!!』
電話が切れた途端、しんとする部屋で私はベッドに勢いよく倒れこんだ。
これで何度目のドタキャンだろう。
一時間後には会えていたはずの彼を求めて私はテレビの電源をつけた。
「はーいっ、Re:valeですー!今日はよろしくお願いしまーすっ」
テレビに映っているのは国民的アイドルRe:vale、二人組のアイドルグループで今最も勢いがあるグループとして少し前から急激に売れている。
その片方のさっきから元気に陽気に話す彼が信じられないことに私の彼氏。
「あーぁ、こんなに大きくなっちゃって」
私の気持ちなんて知らず、彼はテレビの中で軽快なトークを飛ばして場を和ませる。
昔は会おうと思えばいつでも会えたし、もっとラビチャや電話だって出来てたのに、今では一か月に一回会えるか会えないか。
ラビチャは返ってくるけど、本当に数回言葉を交わす程度でしかなく、これではもう付き合ってるかいないか本当に分からない。
「モモのことを好きな女の子は私だけじゃないもんなぁ」
モモと付き合い始めたのはまだモモがRe:valeになる前。
たまたま彼らがしているライヴハウスに別のグループのライヴを見に来た時に、騒ぎまくってる男の子と目が合った。
ばっちりと合ってしまい、どうしていいかわからず目を逸らしたのだが彼は何を思ったか私のところにきて、「Re:valeってすごいんだよっ!チケット多めにあるから一緒にいこう」なんて言って半強制的に私を引っ張っていったのだ。
案の定それで私もRe:valeのファンになったし、それからモモとも仲良くなって、いつの間にか付き合うことになって……
モモがRe:valeになるって聞いたときは本当にびっくりしたし、でもモモがそうしたいなら応援しょうって、寂しいのも全部全部我慢しょうと思ったのに。
「なんか、疲れちゃったのかな私……」
モモがRe:valeの百になる前に撮った写真を見ながら私は何回目かわからないため息をついた。
このころは二人で色々なところに行ったし、友達と集まってホームパーティーだってモモが主催になってしていたのに、もうここ数年そんなことはしていない。
モモのことは大好きだ。
だけど
「Re:valeとしての百は、私、好きじゃないのかなぁ」