*i7*

□* Are you happy now? *
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やっぱり無理にでも既存のケーキにすればよかったかもしれない。

そもそも男の手作りってどうなの? 本当に喜んでくれる?

案外ひかれたり……いやいやないない、名無しさんに限ってない。

だけどもし……


部屋のチャイムがなった。

ドキドキしながら部屋のドアを開ければピンクベージュの長い髪をひらめかせながら彼女は素早く中に入った。




「久しぶりっ!モモ!会いたかった!!」





首筋に抱き着いてくる名無しさんを俺はしっかりと受け止めた。

名無しさんの匂いがする、しかも入ってすぐ抱き着くなんて本当何でこんなに可愛いかな!






「俺も会いたかったよ、本当に本当に」

「モモーちょっと苦しいよー!」

「だって久しぶりに会えたんだよ?もうちょっと名無しさんを堪能させてよっ」

「お腹すいたよー!ご飯買ってきたから食べよー!」

「ありがとっ!それより名無しさん、今日って名無しさんの誕生日だよね?」

「え? うんそうだけど……」




彼女の手を引いて俺はリビングへと誘導する。




「え、モモ、これ……」

「はっぴばーすでー名無しさん!」

「だってこのケーキ、まさかモモが作ったの?」

「まぁ、後輩に手伝ってもらったけどねっ!いつも名無しさんは俺に作ってくれるけど俺からはないからさっ!」

「モモ……」





あれ?? え?まさか本当にひいた? いやだった?





「名無しさん……」

「嬉しい」

「?」

「嬉しいよ、本当に嬉しい、何でこういうことしてくれるかなぁ、モモはいつもいつもずるいよ……」




泣きじゃくる名無しさんを俺はそっと抱き寄せた。




「ふっふっふっ、モモちゃんはエスパーだから名無しさんが辛いことあったりしたらすぐに分かっちゃうのだよー」

「なにそれ、そんなの初めて聞いた」

「ねぇ名無しさん」




少し真面目な声を出せば名無しさんはゆっくりと頷いた。




「いつも俺と付き合ってくれてありがとう。いつも辛い思いも寂しい思いもさせてごめんね? 名無しさんが辛いときにすぐに抱きしめにいってあげられないのが本当に悔しいし、歯がゆいよ……」

「そんな、モモはもう私だけのものじゃないんだから仕方ないよ」




あぁ、ほらまた寂しいのを隠す。けど俺はそんな君を守りたいと思ったんだ。

だから……





「俺、もっともっと名無しさんのこともハッピーにしたい、名無しさんと一緒にこれからもずっといたいだから……」





胸ポケットから小さい箱を取り出して俺は名無しさんの前に跪いた。



「いつか俺と一緒になってほしいんだ、だから今日はその約束をさせて?」

「え、モモそれって……」

「いつになるかまだわからないけど、少し早いけどモモちゃんなりの名無しさんへの愛の証だよ。こんな方法でも伝えきれないくらい、名無しさんのことが大好きだよ」

「モモ……」




あぁ違うんだって、泣かせたいんじゃないんだよ、笑ってほしいんだ。




「ねぇ名無しさん、俺は少しでも名無しさんをハッピーな気持ちにできたかな?」




そう尋ねれば彼女は俺の大好きな笑顔をプレゼントしてくれた。







「私、今すっごく幸せだよ!!」








ちなみに和泉兄弟監修のケーキは本当に本当に美味しかった!

そのあとにいただいた名無しさんほどじゃなかったけどね!なんてね!


END


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