ビロードウェイ
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『ッッ!!!!間に合った!!!』
「ナナシさん、おはようございます」
「今日はギリギリですね」
いそいで身支度をして、左京さんがまわした車に飛び乗り、何とかギリギリで出社する事ができた。
『いや…寝坊しちゃって…危なかった…』
「滑り込み出社お見事です!」
「今日来ないかと思っちゃいましたよ~」
朝から賑やかなこの雰囲気は嫌いじゃない。
軽く雑談していると。
「ナナシ、おはよ」
後ろから声をかけてきたのは
『あ、茅ヶ崎。おはよう。』
昨日舞台の上にいた茅ヶ崎だ。
『あのさ、きょ』
「今日お昼空けといてね~」
言おうとしてたことを先に言われた。
『フフッ、了解』
それだけいうと茅ヶ崎は自分のデスクに戻った。
「茅ヶ崎先輩に誘われるなんてナナシさん、本当羨ましいです…」
『??そうかな? 同期だし色々話す事もおおいから別に珍しい事じゃ…』
「いいえ!すごいですよ!茅ヶ崎先輩ってお昼になると誰の目にも映ることなく姿を消して、事前に誘っても断られちゃうんです。」
『そ、そうなんだ…』
「きっとお昼は行きつけの静かなカフェでオシャレなランチを紅茶と一緒に飲んでいるんですよ~」
後輩ちゃんがぐいっと顔を近づけてキラキラした目をしながら熱弁してくる。
『う、う~ん。そうかも…ね?』
「なので誘われるナナシさんはすごいです!羨ましい!是非茅ヶ崎先輩の生体掴んで来てください!」
そういって後輩ちゃんも自分のデスクに戻っていった。
オシャレなランチ…ね…、
王子様スマイルを浮かべながら仕事をこなしてる茅ヶ崎をみて、私も自分のデスクに向かった。