【東京リベンジャーズ】

□カーテンコール※ 【灰谷蘭】
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頬を滑る大きな手の感触で薄目を開けると湿った息を漏らす蘭の口元があった。

頭を動かさず辺りを見渡す。
カーテン、窓、ランプシェード、奥に机、そして今私の体に跨ってる蘭がいる。視界の端で私は毛布の端を握っており、目尻が濡れてヒリヒリする。



ああそうだ思い出した。
私は蘭とセックスする事になったんだった。



❇︎



❇︎




数時間前、寝室に案内された。
暗闇に月明かりが差し込んでいる部屋に蘭と私は腰を下ろし他愛のない談笑を続けていた。
冷たいベッドの上、会話もひと段落つきそういう気が起こるのも普通なのだろう。
ほどほどに疲れていたし、家に来たのも蘭と会えたのが久しぶりだったので寂しかったのかもしれない。
でも「セックスがしたい」なんて、正直に言えるほど私は積極的な女の子ではないから蘭の近くに寄り添い、それとなく調子を伺うことしか出来なかった。
しかし相手の行動をよく見ている蘭はそんな私の素振りにすぐに気付く。


「何か言いたい事あるんじゃねーの」

紫色の瞳が私を見つめている。
口元が笑っていることから乗り気なのがわかった。駆け引きが上手い。相手の行動をよく観察している上で次にどうしたいか答える余裕を与えてくれる。完璧な誘導。

私は自然とその敷かれた道を進んでいくしかなくなる。


「...察して」

悟られたくないから私は少し意地悪に言い、プイッと背を向ける。すると「あー」と蘭の気だるげな声がした。

嫌ならいいよと答える気でいたけどそれより先に言われる。

「ならする?」
「ウン」






私は蘭の手を握り頷いた。
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