【東京リベンジャーズ】

□過ぎ去りし王国に思いを馳せて【黒川イザナ】
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いつか振り落とされるだろうという確信に近いものがある。心の交わりはあってもギブアンドテイクという関係性が崩れれば手薄になっていくものだと俺は知っている。恩を売る時、人は必ず見返りを期待する。人というものはいつも薄情だ。


王国を創った。
身寄りの無い者を集めて、俺達だけの王国を作ろうという幼い頃の願いは実現した。しかし俺の元に集まった人間はいつだって俺を良いように使わせたい奴らばかりだった。薬物、暴力、金。クズ、借金、女。イキリたいワルばかり。末端の奴はおろそかまともな奴でさえ頭のネジがぶっ壊れている。

こんなんじゃ俺の理想の王国は作れない。どうしようもない奴らの集まりなのだからそういつの間にか諦観を持つようになっていたこんな奴らを引き連れて天竺を築こうなんてバカらしかった。デッカくなるほど障害は増え、俺たちの理想からは遠のいてしまう。俺は気づくことが出来なかった幼い頃の自分の視野の狭さをひたすら呪った。

相手の持っているものから全てを奪い取ってしまう人間を見て吐き気がした。自分も括りとしては悪なのだがまだ悪には染まりきれず、どこで計画が狂ったのか頭を抱える日々が続いた。
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