【東京リベンジャーズ】

□ねとられ快楽オチせつくす
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「オマエ子供は?」
産める体になったが生みたくなかった。もっと楽しく生きていたいし、刺激欲しい。

私には恋人がいた。
とても格好よくて我儘なところもあるけど優しい人。そんな人に見合う女になるために自分を磨き、昔の自分とは比べものにならないくらい可愛くなった。
振り向かれることが、モチベーションだった。毎日妄想して幸せだったよ。綺麗な自分になって彼とのデート楽しもうとしていた矢先、浮気が発覚した。

せっかくかわいくなったのにあの人は私を見ようともせずさっさと別の女に切り替えてしまった。彼の安心し切った視線が他の女の子に注がれている。

そこに居たのは美貌もファッションも納得の行く可愛らしい女性がいた。私とは雰囲気が違う、他人。
最初はショックだったんだけどね、だんだん憎しみが女の子から彼の方に向いて来ちゃった。彼女を連れて歩く姿と彼の愛情を受け取ろうと頑張ってきた無謀な自分の姿が重なって見えて見える。
してきたこと全部無駄だった。悔しくて一晩中泣いてたよ、何で私よりあの人なんだよってずっと。もうこの家にはいられないと私物をまとめ、朝には彼のものだけを残し家を出た。
私には優しくしてくれなかったくせに何であたし以外には優しくできるんだよ。

雨が降ればよかったのに外は快晴の青空が広がっていて、陽の光が暖かかった。今まで泣いてきた私へのご褒美みたいだった。やっと彼に尽くす行為が終わった気がした。

私はきっと形だけの恋人だったんだ。そう思い込むと悔しくなった。


前より華やかに、彼のためにピンクにした口紅をやめグロスの輝く濃い色の口紅にした。

彼がヤキモチを妬いてしまうからと地味にした洋服から主張の強い赤にするとやっと抑圧されていない本来の自分に出会えた気がした。
編み込みした髪に香水を吹きかける。ずっと憧れていたアイシャドウでメイクをする。
今日の私は誰の指図も受けない自由で強い女。前よりもずっと強くなれた気がした。

浮気した彼を後悔させてやるわ。せいせいしたわ。それほど私ってば彼のこと好きじゃなかったんだね。

フラフラと地下鉄に立ち寄りお昼になったしご飯でも食べようかと動いてみる。異性の粘ついた視線が嫌になりマスクで顔を隠す。

そんなとき東京の夜の街でパーティが開催されるという噂を耳にした。六本木。主催は灰谷兄弟とのこと。
灰谷兄弟って有名な人なのと聞くと私はそのパーティへと潜入し、その人に出会うことにした。用意もメイクも完璧にしてくる。



夜職の人や色んな企業のお偉いさんたちが来るパーティ会場に一人、行くあてもない大人が一人来ている。女性は派手なドレスに身に纏い黄色い声をあげている。男性はおしゃれなスーツに身を包んでいた。外国人もいる。いつもとは違う雰囲気に魅力されながら私はふと場違いに怖くなった。
みんなが立ち話をする中、私は港の見える南側に腰掛け、誰かを待っている風を装った。夜の街は美しく夜景が見えている。セットされたお茶を飲み一息すると目の前に人の気配があることに気付く。

「どこから来たのかと思えばかわいいお姉さんが一人」
「ここ(都内)の人?」
男は形の良い眉を下げ目線を私に合わせていた。予想通りかわいいお姉さんと言われ少し嬉しくなったけどまだ警戒は解きたくない。顔を見るとしっかり整えられた髪に髪色は紫、メッシュは黒、冷たい藤色の瞳が私を見つめていた。
「どうかしら」

返事をした後、足を組み替えると彼はチラリと太ももを見て気をよくしたのか対面側のテーブルへ腰掛けた。待ち合いの程を装っていたのにそんなに話がしたいかと私は様子を伺いながら問いに答える。
粘ついた視線には慣れている。私は冗談まじりに彼の方へ近づき「乗り込んできたの」と言った。
柔らかい笑顔を浮かべて女の話を聞いていた男だったが予想外だったのか一瞬驚いた顔をした。
「はははチャレンジャーじゃん、道理で馴染みがない顔なわけだ」
と言ってきた。
綺麗、と言われた。お世辞だとしてもとても上手い。女性の扱いになれている雰囲気をビンビン感じる。話も通じそうだったのでそのまま話し続けることにした。

男は灰谷蘭と名乗った。灰色の灰に谷、蘭。カジュアルに蘭って呼んでねと微笑んだ。
花の名前だなんてオシャレなひと。
話をした後、奥の部屋へ案内される。そこは弟が切り盛りしているクラブらしく男女が音楽に合わせて頭をシェイクしていた。音が心臓にまで響きクラブ全体が一体になる感じ。人によるが私には楽しさが分からなかった。
蘭さんはそばの豪奢な椅子を引くと、こちらに手を伸ばした。
硬くて大きな手の小指にリングが着いている。ピンキーリングだ。確かを願う指だったはず。
手を取ると硬いと思っていたはずの手は案外柔らかく、くるりと方向転換し椅子に座ることができた。私が腰掛けたのを見届けると蘭さんはまた柔らかく笑い、対面側の椅子に足を組んで座った。男性からエスコートを受けたのは初めてだ。

ガード硬いね。

「ふふふ警戒していますの」
「そーなんだ 普段はどこに勤めて?」
答えに困った。
好きな男の家を追い出されたなんて言えるわけがない。「うん?」とこちらに首を傾げる蘭に私はますます閉口した。

正直に話すしか無いのかな。ちゃんと話そう、きっとこのまま黙ってたんじゃよくないよ。顔を上げると蘭がホッとした顔になった。
彼氏の浮気が発覚し家を捨てまして

次に起こったのは笑い声だった
「軽率
だな
「...彼氏いた?」
彼氏がいたかと聞かれて彼のことや記憶を思い出してしまう。初対面で身の上話など聞きたくはないだろう。興味を持つ男をあしらうと
「なるほどねもう吹っ切れたんだぁ」
と言いあしらわれた。

吹っ切れてはいないよ。複雑な感情になるが言わなかったのは私の選択だ。けれど言った方がよかったかななんて言ったら未練が残ってしまうだろうな。
男は適当に切り上げた。

灰谷蘭。宜しくね。とだけ残して。
彼は集まりには混ざらず同じ紫の髪色の男の人と少し離れた席でお酒を嗜んでいる。これだけ人気があれば一息吐きたくなるのも当然か。観察すると多少の雑談には応じている模様。そばに近づいてみる。

「弟さん?」
分厚い前髪を上げた。和かな笑みを浮かべる兄とは違い弟は怠そうな雰囲気だった。すると「兄ちゃんにあんま懐柔されない方がいいよ」と忠告された。

「いやだなぁ竜胆ー 俺は何もしねぇよ」

「この前女が押しかけてきたこともう忘れたの?後片付け大変だったんだから!」
「モンブラン食べてたら忘れちゃった〜」


「ははヤバい女に目を付けられるのは懲り懲りだワ」

先程の間延びした声とは違い低い声だった。
目の前で繰り広げられる話は私はキョトンとしてしまった。女性問題ってけっこう多い感じ?
じゃあヤバい人に出会っちゃった感じ?

蘭さんは席を立ち、私をバイキングコーナーへ案内してくれた。後ろには竜胆さんが着いてくれている。

背の高い蘭さんの隣を歩いていると周りから声を掛けられる。ジロジロ見られたくなくて俯くと蘭さんがこちらの様子を伺い腰に手を回した。

「しーっ
フランスのお菓子、チョコレート、
オレンジの果実にチョコを漬け込んだチョコ。蘭に盛り付けてもらって移動すると色とりどりのサラダが並んでいた。野菜を見るとブロック状に切られ並んでいる。

「コブサラダ。アメリカの定番サラダ さ、次はオムレツ食べようか

山のように乗せられた皿を持って竜胆の元へ帰還する。バランスは良いが高カロリー過ぎ流。周りの視線が痛い。竜胆が目を丸くするなり後ろにいた蘭さんが吹き出しやっと騙されたことに気付いた。

「柑橘系が好き?」
「分からない」
「食べてみなよ」

貧乏舌な私には味がわからない。口に運ぶとクリームの甘い頬で溶け出した。
「おいしい?」と言う彼に頷くと蘭さんは笑ってくれた。
「こんな美味しいの食べたの初めてです

そ、オトウト
失恋したの
へー
クラブはどう?この後暇だから家に泊めてもいーよ


「悪いお兄さんに着いていってみない?」
「ん、それはどういう」
「ワンナイトラブ的な〜」

このような場で言うか。周りを警戒するが弟以外には聞こえてないみたい、それどころか竜胆さんも何食わぬ顔。
女性の扱いも上手い、欠点なんて一つもない。こんな男性に一晩抱いてもらってまた明日頑張れる女は無数にいるだろう。私も性欲はある。
優しくしてくれることがわかってる人と寝るのは人生経験の一つやいい男のエピソードとして花を咲かすことができるだろう。けど私はそんな目の前で優しくするーなんていう男のことが怖くなった。
会ったばかりの男性と肌を重ねることなんて。本気で好きになってしまったときこの人はただの遊びでしょ勘違いすんなよと言い切る冷酷さを持っている。私はそんな人に騙される可能性がないとは言い切れなかった。失恋していたし。

最高峰の人間。体、指遣い。舐め尽くされてしまうのは毒であるような気がした。
芽生えた尊敬の念もこの人に食い尽くしてしまう。調子に乗ってはいけない。


「ワンナイトラブはちょっと大人すぎるっていうか 私冒険はしたことなくて...」
否定したらゴリ押しはしてこないだろうと思い言う。ところが蘭は品定めでもするような顔で私の顔をじっと見つめていた。

「俺はセフレ以外でも大歓迎なんだけど
添寝フレンドでソフレとか今流行りでしょ」
「そ、添い寝」

手出すつもりでしょというと出さないよと回答が返ってくる。悩んだ。私は彼氏に一度騙されていた。もう都合の良い女は卒業したい。蘭さんの誘いを断ろう。

「そこまで拒否するならまあ、またの機会に。ほら乾杯」

あはは。蘭のボトルに酒を注ぐ。蘭は微笑み乾杯する?と言ってくれた。
好きになってくれるかなんて。蘭がこちらを見て微笑むたびに私の心臓が脈打った。


浮気はダメじゃないですか、待っている女の子の気持ちを考えてあげないと。
私は彼に選ばれなかった側だ。落ち込んでいると蘭さんはすっと立ち上がり出口に手のひらを向けた

「連れねーじゃあ帰ろー
えっ

竜胆さんと席に戻っていく。
「お嬢様がこんなとこくんなよー」


バンに乗り込む蘭と竜胆。



でもこんな暴力的な刺激はいらない。

ご奉仕してみる?と蘭さんは言った。
顔を上げる。
起立が天高く伸びている。その上に立てと言っているの。

大股になり蘭と目が合うとすぐに話す。心拍数が羞恥を煽る。起立を持って自分の腰を下ろしていく。大唇陰にぬめった亀頭がぶつかり淫らな音を立てた。

「はぁ、はぁ...」
深呼吸する。
これで支えられているようなものだわ、固くて痛いし恥ずかしい体勢を取らされるに決まっている。
見つめられ膣がキュン♡と締まった。こんな状況下にも関わらず私の身体、反応してる。酷い目に遭わされちゃう。

「オトコに尽くす女になりてぇんだろ?」

確かに尽くしたわ、尽くすのが喜びだったから。相手が見返りを求めてくれないことを知り、男性に絶望してもまた身体は奉仕を覚えている。

「良い子
違う男が入り込むことによって作り変えられてしまう。
純粋なところを蘭は酷く気に入りいつの日か流行していた外タレと同じものを感じた。俺がプロデュース出来ればコイツは伸びる。

金銭感覚の狂った嬢にするか、娶って妻にするかなんてまだ何も決めていない。この先の変化を見ていたくなるほど興味をそそらる。
どう転ぼうが名前は自分の手の中だ。絶対に逃さない。
せめて幻滅だけはさせないでね。


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