HUNTER×HUNTER

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「ルチア、着いたよ」
「えっ、マジで?」

エレベーターがゆっくりと停止するのを感じて目を覚ますと、ヴェルデが私の肩を掴んで揺すろうと手を伸ばしている所だった。

「っ、やったー!漸くハンター試験受けれる!」

私は、お構いなしに椅子から立ち上がりエレベーターの扉が開くと同時に飛び出そうとすると、ヴェルデに首根っこを掴まれて端から見たら首を絞められているみたいになった

「ちょっと待って、もう子供じゃないんだから!」
「えー…離してよー!子供みたいに迷子にならないから!」

周りから向けられる視線は女子だからか、騒がしいからか、かなり冷たいものだったが昔からの慣れっこだ

パッ、とヴェルデを振り払ってエレベーターから降りるとナンバープレートを持った人が待っていた

「どうぞ、番号札をお取りください」
「お、ありがとー」

14と書かれた番号札を受け取り、胸に着けるとヴェルデも15と書かれた番号札を受け取っていた。

「必ず胸に着け、紛失されませぬようお願い致します」
「はーい」
「…ねぇルチア」
「ん?」

小声で話しかけてきたヴェルデに訝しげに首を傾げて、指を指された方角を見ると見覚えのある人物が私たちに気がつかずにナンバープレートを受け取り、前を通りすぎていった

あぁ、新人潰しのトンパか。

前のハンター試験でも見たように、にこやかに新人に近づき下剤入りジュースを手渡し、騙されていることに気がつかない新人はジュースを飲み干し脱落する。
まぁ言わずもがな私も引っ掛かりかけたんだけどさぁ

「よー、トンパ!相変わらず性根が腐った事してんなぁ」
「ゲッ…お前ら、前回の試験で落ちたくせにまた来たのか」
「当たり前じゃん、バカじゃねぇの」

ゲシゲシと背中を蹴りながら喋っているとヴェルデが制止してきた
どうやら人目が痛すぎて耐えられないらしい

「ヴェルデだったか?お前はともかく!ルチアはトラウマもんだったろ」
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