Novel.1
□隠したもの
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高木に揺すぶられ、目を覚ます。
見覚えのあるマンション。
「あれ？自宅？」
高木が連れてきたのは佐藤の実家だった。
「美和子さん風邪でしょ？熱、嘘吐きましたよね。僕んちでも良かったんですけど明日は仕事なので実家帰った方が安静にできるかなと。美和子さん三連休ですよね、明明後日は僕も休みなので遊びませんか。そのために風邪を治してください」
そんなことを言いながら高木は佐藤を車から下ろし鍵をかけ、実家の部屋の前まで送る。
佐藤もさっきより熱が上がってきたのかしんどそうた。
「なんでわかったの」
「愛の力です」
そんなことを照れずにいう高木は相当真剣だろう。
無事、自宅まで見送られる。
この人にだけは嘘はつけない。
あと、渉くんにだけは甘えたっていいのかな。
そんなことを考えながら自宅の布団に入った。