Novel.1

□涙雨
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涙の数だけ強くなれるよ

アスファルトに咲く花のように


そんな曲を聴いたことがある。

泣き始めた佐藤を慰め始めて早1時間が経とうとしていた。

「美和子さん、怖い夢でも見たんですか」

そう聞いても返事無く泣いてるだけだ。

そう言えば。

今日は11月7日だ。

「美和子さん、僕はどこにも行きませんよ。運も人1倍、いや人2倍程強いです。あなたより長生きもします」

なので、あなたの笑顔を見せてください。

そう伝えると佐藤は涙でパンパンに腫れた瞳を見せる。

顔も真っ赤だ。

「夢でね、渉くんが爆発した」

なんておっかない夢だ。

「でね、私は何も出来なかった」

「大丈夫ですよ、何も出来なくて」

高木は佐藤の頭をポンポンっと撫でた。

「僕はあなたのそばから居なくなりませんから」



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