◇お話◇

□幸福の女神
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おまけ



_アミシティア家_




「ったくなに考えてるんだよ親父!」

「だってだな、聞いてくれ
グラディオラス」

「だってじゃねえ、子供か!
だいたい大の大人の行いを、
大の大人がこそこそ
盗み見するなんて一体
何考えてるんだ!」


「人聞きの悪いこと言うな。
温かく見守ってただけだ。」


「物は良いようだな!
全く、将軍と名無しさんには
同情しかないぜ・・」


「そうは言うがな、あのコルが、
15の時、ただ戦いに明け暮れて
人の話を聞かず聖剣に挑みに行った
きかんぼうのあのコルが!
女性と共に夜景を見ているなど
誰が想像しただろうか!」

「いや気持ちは分かるぜ、だけどな。
将軍も名無しさんもそれこそ
いい大人なんだ、子供のままごと
してるんじゃねぇんだぜ。
そっとしておいてやれよ」

「わかってはいるがな・・。
しかしコルの奴、あのムードで
キスの一つも名無しさんにして
やれないとは、やはり俺の教育が
まだ足りなかったか・・」


「全っ然わかっちゃいねぇな・・・」





_王家__



「なに考えてんだよ親父は!」

「だってだな、聞いてくれ
ノクティス・・」


「だってじゃねえ、子供か!」

「・・いや、あそこでくしゃみが
出るとは私の努力が足りなかった」


「なんの努力だよ・・」


「くしゃみを我慢する努力だよ」


「わかってるよ、
そこはサラっと流せよ・・
あのなあ、コルがようやく心を
開ける相手ができたんだぜ?
祝福しようと思わねーの?」


「もちろん祝福してるとも。
名無しさんはコルにとって
幸福の女神のようなものだ。」


「こそこそ盗み見して
いい雰囲気をぶち壊しておいて
なにが祝福だよ、嫌がらせにしか
見えねぇっての!」


「うむ・・くしゃみを制御
出来るよう、気をつけておかなくてはな。」



「そうじゃねーよ・・・・・・」






後日・・・


__コル邸_



「ねえコル、両腕を上げてみて・・」


「なんだ。」


「いいから!」


「・・・・・」


「・・・・・」



「何・・している・・」


「くすぐってるんだけど、効かないの?」


「・・・・・全くだな」


「ダメか・・・アラネアがね、
くすぐればあの将軍も声あげて笑うよって
アドバイスくれたんだけど
本当にダメ?」


「・・人によって弱い場所が違うだろう」


「・・じゃあもう少し上?」


「・・・・・・」


「じゃあ下かな」


「・・・・っ」


「・・おや?・・・・ここ?」


「・・・や・・やめ・・ろ」



「・・ここ?ここなの?
特定完了!へーここなの!」


「・・っ・・名無しさん!!や・・め・・」



「うーん・・・確かにいつも以上に
笑ってるコルが見られたけど・・
なんか笑うっていうより
いやらしい・・・」


「・・・・・っはぁ・・。
名無しさん、性感帯を知らんのか」


「え・・ここ感じるの?
・・・・確かに結構下のほうかも・・。
へぇ、ちょっとこれは試すのが楽しみね」




「恐ろしいな・・」





end
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