◇お話◇

□Super Woman
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王都につくと、なにやら
賑やかな4人組がこちらへ歩いてきた。

「あっ名無しさんさんだ!」
遠くからでも目立つ、
チョコボ色の綺麗な髪は
プロンプトだ。

「あーら、王子ご一行様お久しぶり。
今日はどうしたの?」

「揃って親父の公務見学だよ。
まあ一応、俺も王子だし?
それよりコルとのこと、
親父から聞いたぜ。」

未来の王であるノクトは、
名無しさんにすり寄った。

「あー・・。流石、王子に
伝わるのは早かったね。
と言うことはグラディオもかな」
大柄な男に目線を向けると
ニヤニヤしながら首を縦に振った。

「ああ。家に帰ったら親父が珍しく
酒で陽気にやってるかと思ったらよ。
ワケを聞いて俺も驚いたわ。」

「ねー将軍と付き合うって
どんな感じなの??
俺、全っ然想像付かないんだけど
あの将軍が、あのその・・
チューとかするの?!」

「・・まぁ人並みにはねぇ」と言うしかない。

「そりゃ、45歳の男と熟した女だぜ?
アダルトな付き合いに
決まってんだろプロンプト」

「えっ?えっ?アダルトって!?
そこんとこ詳しく!!
ノクトも知りたいよねぇ!?」

「はっ?・・あぁ、まぁ・・な」


「これだからおこちゃまは・・」


「グラディオ、いい加減にしないか。」

グラディオを嗜めるように
イグニスは止めた。


私は「別に普通のカップルと
変わらないお付き合いだよ」苦笑いしながら
答え、イグニスに先日の電話の
お礼を言った。

「想いが伝わって良かった。
俺達も名無しさんや将軍には世話に
なっているから一個人としても
嬉しいな。」


「ありがとうイグニス」


「なぁ、なんでコルのこと
イグニスに相談したんだよ。
こういうのってグラディオの専門だろ?」

俺はそういうのよくわかんねーからと
付け加えた王子、とてもピュアで
とても可愛い。

「ま、俺からのアドバイスは
ただ一つ、男は酒に酔わせて
色気で攻めれば
100%落ちるに決まってる、
だからな」

「そうそう、絶対にそう言うって
分かってたことだもの。」

「で?アドバイスは実行したのかよ。」

「うーん。色気が出てたかはわからないけど
私なりに攻めてはみたかな。
されるがままは性に合わないんでね」

私はニヤリと含んだ笑みを浮かべると
鎖骨から光るネックレスを指にからませた。

「おいおいあの将軍にか?
やるなぁ名無しさん!」

プロンプトは
「なにそれエッチ!!」と叫び、

王子は
「なんだよどういうことだよ」と
気まずそうにされ、
純粋な二人に私は笑いを堪えた。

「さ、私はもう行くよ。
王子もしっかり頑張ってくださいな。」

「ああ。つーかさ、
その王子って呼び方、慣れねぇんだよな。
プライベートの時みたいに
普通に名前で呼べねぇの?」

「ノクト、ここは王都なんだ。
仮にも名無しさんさんとは
昔からの仲だったとしても立場を
弁えて接することをしないと
周りに示しがつかないだろう。」

私の代わりにイグニスは
メガネの位置を正しながら
ノクトに諭してくれる。

「そういうこと。コルのことだって
ここでは一応、将軍て呼んでいるんだから。」

「えっ・・マジかよ」


「ま、実質俺達の姉貴みたいな
もんだからな、ノクトの気持ちも
わからなくはねぇが。」


「だよねー。俺はみんなよりも
名無しさんさんと知り合って短いけど
もうお姉さんみたいに感じるよ」

可愛いこと言ってくれて!と
私は金髪を豪快に撫でた。


「では皆様、ごきげんよう。
たまには私の講義に出て
勉強して下さいな。」と4人に挨拶し
私は急いで会議室に向かおうとした。

すると背後からノクトの良く通る声が
王都の長い廊下に響いた。

「コルと仲良くしろよ!
王子の命令だぞ!」

私は背中を向けたまま左手をあげて
ひらひらと降り「仰せの通りに!」と
叫んだ。


「・・・名無しさんさんて
ほんとかっこいいよねぇ・・」

「ああ。将軍が選んだ女性なだけあるな。」

「そこらへんの女とは鍛え方が違うからな。
毎晩、あの引き締まった尻や足を拝めるとは
将軍もやるもんだぜ」

「おいグラディオ。それコルに聞かれたら
確実に殺されんぞ」

会議室についても4人の
言いたい放題から、
私はくしゃみが止まらなかった。



end
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