本棚 2
□愛故に 1
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彼女と出会ったのは、彼女がまだ自我も目覚めていないような時のことだった。
「カールハインツ様、この子がソフィアです。」
父の従兄弟にあたるその男に抱きかかえられ、こちらを不思議そうに見る碧眼。
「カールハインツ様?」
視線が合ったまま、反らせなかった。しばらく見つめ合っていると。
「あぁー!」
その赤ん坊が花が咲いたように笑いかけたのだ。
ドキッ。
ああ。この娘が欲しい。
何故か漠然とそう思った。
こうしてカールハインツとソフィアは出会ったのだ。