STORY 長編
□冬休み:年越し編
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12月31日。
今日は大晦日。
一年の締めくくりである。
鈴木が家で掃除をしていると母から声がかけられた。
「佐藤くんから電話よ〜」
「いないって言って」
「どうして?」
「年越しくらい平和にしたいんだって。いないって言ってよ」
「無理よ〜」
「なんで!?」
「佐藤くんすでにうちの居間にいるのよ」
「居間!?なんで居間にいるのに電話するの!?」
「糸電話よ☆ふふふ」
「糸電話!?今時!?」
「面白い子ね」
(いや、完全におかしいだろ!も〜…静かな年越しにしたかったのに…)
今日だけは佐藤を避けたかった鈴木の願いは無惨に砕け散った。
鈴木は仕方なく母から糸の繋がった紙コップを受け取り、耳に当てた。
「鈴木〜!俺の新しい携帯!!」
「糸電話が?」
「とりあえず鈴木!!遊びにいこうぜ!!」
「いや、大掃除あるし」
「よし!!俺も手伝うから♪」
「いや、いい」
「遠慮すんな♪助っ人も呼んどいたよ♪」
「助っ人?まさか………」
嫌な予想が鈴木の頭をよぎる。
「う゛ぉおい!!!!」
(やっぱり――――――!!!!!)
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