STORY 短編
□誕生日
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「は〜い!安いよ安いよ!!噂の麦チョコ箱入りでなんと100円!!!」
麦チョコの入ったワゴンに群がる主婦達。
その中で犬も必死に手をのばしていた
「どけらびょん!!!!」
「ちょっと若いんだから割り込まないで頂戴!」
必死で腕をのばす
やっと麦チョコを掴んだ犬は嬉しそうに手を引く
その時―
ドス
「痛ッ…!!!」
主婦のエルボーが犬の右眼球にクリーンヒット。
(なんなんらびょん!!!!)
怒りと言うより悲しさが沸き上がってきた犬はワゴンをあとにして、預かったお金でガムを買って帰路についた
「なんで誕生日にオバサンらに混じってバーゲン戦争しなきゃならないびょん!!!!」
「たらいま〜」
「犬、麦チョコは?」
「買えなかったびょん」
「そう、じゃあお金。」
「ガム買うのに使ったびょん」
「…」
千種はヨーヨーを取りだし犬にぶつけた
「きゃんッ」
「誕生日くらいガム買っても骸さん怒らないびょん!!!」
「あ。今日、犬誕生日だっけ」
「…あ」
「…だから犬ソワソワしてた」
「う…うるへ〜!!!!//」
(自分で誕生日アピールするイタイ奴になってるびょんι)
顔を真っ赤にさせて、犬はまた黒曜ランドを飛び出した
「忘れてた…」
「うん。」
河原に寝そべった犬は睡魔に襲われ、そのまま眠りこんだ
『…ん、犬、犬!』
どこからか呼ばれる気がして目を開けると、真っ白な世界の中に1人の男性が立っていた
『骸さん…!!!』
『クフフ。やっと気付きましたね。犬の夢の世界にやってきましたよ』
『なんでらびょん!?』
『どうしても伝えたい事がありましてね…。今日は何の日かわかりますよね?』
(骸さん…やっぱり覚えててくれたんれすね…!)
『わかってるびょん!そのためにわざわざ来てくれたんれすか?』
『えぇ』
『ありがたいれす』
犬は喜びに涙が溢れる
『クフ犬は泣くなんて面白いですね。そんなに楽しみにしていたんですか』
『はい!』
『そうですか、じゃあちゃんと忘れずに出して下さいね』
『??出す??』
『えぇ。今日は
燃えるごみの日
でしょう?』
『……』
『どうしました?』
『骸さん嫌いれす!!!!!!((泣』
ガバッ
犬が目を覚ますと
もう夕日が沈みかけていた
とぼとぼと黒曜ランドへ帰る
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