薄桜鬼『桜恋録』1

□No.15
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──── ザァァァァーーー………



叩きつけるように降る雨を見て、私はため息をついた。

雨の日ほど退屈な日はないだろう。


いくらアウトドア派な私でも、足元がびしょびしょに濡れてしまうのは嫌だから雨の日は外に出ない。

特に冬の雨は嫌いだ、寒いし雪が泥にまみれて汚くなるし。


外に出られないとなると、本当にやることがなくなってしまう。



暇だなぁ……。


確か今日は土方さんが出張でいない日。

千鶴も土方さんについて行ってしまった。



沖田さんとこっそり土方さんの部屋に忍び込んで、新作の俳句鑑賞でもしようか。

うん、それがいい。

いない方が悪いんだ!!


そうと決まれば沖田さんを探してこよう。



真っ赤になって怒鳴る土方さんを想像してニヤニヤしながら、沖田さんを探すべく部屋を出て廊下を歩く。
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