薄桜鬼『桜恋録』1

□No.19 @
1ページ/7ページ





──── 私は遠くから、対峙する2人の男を見ていた。


赤毛の男は刀1本で戦っており、もう一方のガタイの良い男は二刀流。



赤い髪が、風になびいたその時。

赤毛の男の脇腹が、じわじわと赤く染っていく。


彼は口から大量の血を吐き出した。

そして、




「 ──── ──── 」




その声が、私に届くことはなかった。


だがその人物は紛れもなく、










名前「 ──── うわああああああああっ!!!!!」




私はガバッと勢いよく起き上がった。


……ハッと我に返れば、そこはいつもの私の部屋。


全身汗びっしょりだ。

息も乱れていて、前髪は額に張り付いてしまっている。


……酷い夢を見た気がする。

だけど、




名前「……なんだっけ……?」




どうしても、思い出せなかった。


……まあでも、夢なんてそんなもんでしょ。

私は手拭いで体の汗を拭ってから、再び眠りについたのだった…。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ