薄桜鬼『桜恋録』1

□No.20
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名前「ちょっと平助、食べかけ寄越さないでよー!(モグモグ」


藤堂「って文句言いながら食うのかよ!」


名前「一君、お豆腐貰っていいの!?」


斎藤「……ああ、構わぬ」


名前「いやでもさすがに悪いし、半分こしよ!」


斎藤「!……ああ」


名前「新八っつぁん、このおひたし美味しい〜!」


永倉「そうか!うめえか!」


名前「ちょっと沖田さん、ちゃんと葱は食べなきゃダメだよ!はい!」


沖田「ちぇ。僕だけ返却かー」



土方「……ったくお前ら、静かに食えねえのか?」




土方さんがため息混じりに呟いたけど、なんだかその表情はいつもよりも柔らかい。


それに、数十分前までは「みんなに会うのが怖い」なんて思ってたのに、そんな思いはもうどこかへ消えてしまっていた。


みんなは、こんな私を受け入れてくれるんだ。

私の居場所は、ここでいいんだ。



ふと隣を見れば、左之さんが優しげな眼差しでこちらを見ていた。




名前「……左之さん。本当にいろいろありがとう」


原田「ああ、気にするな」




左之さんはそう言って、ワシャワシャといつものように私の頭を撫でてくれる。

左之さんの瞳は、本当に嬉しそうだった。


そして私は土方さんの方を見て、小さく礼をする。




土方「……………」




土方さんはちらりとこちらに目をやっただけで何も言わなかったけど……。



何度でも、思う。


──── やっぱり私は、ここが大好きだ。



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