薄桜鬼『桜恋録』1

□No.20
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──── あの後私は風呂で血を洗い流し、寝床についた。



だけど、人を殺す夢を見て何度も飛び起きた。


何度も何度も飛び起きて、泣いて。

でもその度に、ずっと傍にいてくれた左之さんが私を抱きしめてくれていた。


ここで私の精神が壊れなかったのは、左之さんが居てくれたからだと思う。




……だけど、自分自身への恐怖が消えることは無くて。

また自分が暴走してしまうのではないかと考えると、怖くて。




──── いつしか私は、厠や風呂以外で部屋の外へ出ることができなくなっていた……。
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