薄桜鬼『桜恋録』1

□No.2
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土方「……何か証拠はあるのか?」




と、土方さんが疑うような目で私を見てくる。




名前「えぇ……証拠って言われても……」


土方「お前さっきから散々未来から来ただの異世界から来ただのほざいてただろうが、証拠ぐらい出してみろ」




そんなこと言われても……。


私は制服のポケットをゴソゴソと漁った。

出てきたのは、




名前「iPhone、ハンカチ、ティッシュ、リップ、鏡、飴……って、こんだけあれば十分ですよね!」




……最初からこれ見せればよかった、私って馬鹿だ。




藤堂「あいふぉん?何だそりゃ。触っていいか?」


名前「どうぞどうぞ」




可愛い!可愛いよ藤堂さん!

手を伸ばしてきた藤堂さんが可愛かったので、私はiPhoneを渡す。




藤堂「何だこれ?何するんだ?」


名前「遠くにいる人と会話したり、メール……えぇっと、文みたいなものを送ったり、物を買ったりできますよ」




みんなは「は!?」と心底驚いたような顔をした。




永倉「そんなこと出来んのか、こんなちっさいので!?なぁ、どうやって使うんだ?」




と、半ば興奮気味に聞いてくる永倉さん。




名前「そうですねぇ……これと同じものを持ってる人がいればできますよ」




と説明すると、「俺もほしい……」という声が聞こえてくる。




千鶴「では、苗字さんの居た世界ではこれを持っている人がいるってことですか……?」




千鶴ちゃんが可愛らしい声で質問をしてきた。


は、話しかけてくれた!!

千鶴ちゃんが話しかけてくれた!!




名前「殆んどの人が持ってますよ。小さい子でも……老人の方でも」


千鶴「すごい……!」


藤堂「なぁなぁ!他にはどんな事ができんの?それ!」


名前「そうですねー……」




私はiPhoneを操作して、カメラを起動した。

カシャッと無機質な機械音が広間に響く。


撮った写真は藤堂さんの驚いた顔。

本人に見せると、目がキラキラと輝いていた。




藤堂「すげぇ!!なぁ土方さん、こいつの話本当なんじゃねぇの!?」


土方「これだけじゃまだわからねぇだろうが」


藤堂「でもよ、こんな機械見たことねぇし……」


土方「……異国にはあるかもしれねぇだろ」


沖田「異国からにしては彼女、日本人って感じの顔ですけどね」







こうして、長い長い話し合いの結果。



私は監視対象という理由で新選組にお世話になる事になった。

斎藤さんや千鶴ちゃんの名前を知っているという事は新選組の秘密も知っているのではないかと疑われ、口外されては困るという理由でだ。


しかしそれでもいい、住む場所が出来たことだし!!

苗字はポジティブに行くぜ!!


ありがとう、近藤さん!!
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