薄桜鬼『桜恋録』1

□No.4
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──── あれから、1週間。




斎藤「踏み込みが甘い。もう一度だ」


名前「はいぃっ……(涙)」




こんにちは、名前です。

只今斎藤さんのスパルタ特訓受けてます死にそうです。


何とか打ち込む練習までたどり着いたんだけど……。




──── バシッ




名前「いだぁっ!!?」


斎藤「隙がありすぎだ、これではすぐに打ち込まれるぞ」


名前「すみません既に打ち込まれてます」




てんで進歩してないように思える。


増えるのはスキルではなく痣だけだ。

……我ながら今のはちょっと上手いこと言ったと思う。


ちなみに今日は原田さん、藤堂さん、永倉さん、沖田さんも隣で一緒に稽古中だ。




藤堂「うーん、なんかこう、もっと……ビシーっといけよビシーっと!!」


名前「ごめんちょっとよくわからない」


永倉「なーんかぎこちねぇんだよなぁ」


名前「だってまだ1週間だよ!!(涙)」


原田「……しかし、ここも治安がいいわけじゃねぇしな。俺達といたら余計に誰かに狙われるかもしれねぇしよ。まあ、いざって時は守ってやるが……」


斎藤「最低限、自分の身は自分で守れなければならぬ」


名前「うぅ……(涙)」




どうして私はこんなに出来が悪いんだろう。

もしかして私、剣の才能ない…?( ´・ω・`)




沖田「……でも名前ちゃん、最初からすり足だけは上手かったよね、すり足だけは」


名前「『だけ』をそんなにはっきり強調しないでください」




いやまあ、実際そうだし否定はできないんだけどね。




名前「……私、こっちに来る前は弓道やってたんです。その影響かも」




みんなが私を一斉に見た。




永倉「なんだよ、それを早く言えよ名前ちゃん!」


藤堂「だったらもう、弓使いになればいいんじゃねーの!?」




永倉さんと藤堂さんが少し興奮気味に言った。




原田「……ちなみに腕前はどうなんだ?」


沖田「まさか、剣術と大して変わらないとか言わないよね?」


名前「失礼だな沖田さん。私これでも強かったんですよ?なんたって、クラスの剛田くんに勝てたのは私だけなんですからねっ!」


原田「……誰だよ剛田くん……」




同じクラス、同じ部活だった剛田くん。

言わずもがな、あだ名はジャイ○ンだ。




名前「…まぁ、一応大前やってましたよ」


藤堂「大前?」


名前「一番最初に射る人です。私、これでも外したことほとんどないんですよ」


永倉「へぇー、凄いじゃねえか!じゃ、もう弓道でいいんじゃねーのか?」




……私もそっちの方が助かるなぁ。

なんて思っていると、




斎藤「……俺は同意できぬ」




まさかの師匠から反対された。
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