薄桜鬼『桜恋録』1

□No.17
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──── 数週間前。




名前「うっわ酒くさ!! また島原で飲んできたの!?」


原田「んん?あぁ、まあな…ヒック」


永倉「いやー今日の子もなかなかのべっぴんだったぜ!ゥヒック…」


藤堂「そうだなァ!! 飯もうめェのなんのって!ヒック」


名前「感想言うなら部屋でやれ!廊下に寝っ転がるな、邪魔だ酔っ払い共!」


原田「んん?名前も呑みてぇのか?じゃあ部屋でさっきの続きやるかぁ?ヒック」


永倉「おお、いいな左之!俺もまだ行けるぜ!」


名前「そういうことじゃないよ!!私だって美味しいご飯食べたい!!可愛い女の子に囲まれたいんだあああ!!!
ギャースギャース。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。
ムキーヽ(`Д´#)ノ
((└(:3」┌)┘))ジタバタ 」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





藤堂「 ──── って、猿みたいに暴れてたじゃねぇか」


名前「猿とはなんだ、失礼な!!」




そういえば、そんなことを言ったような気がする……。




永倉「しっかし名前ちゃんが島原行きたかったとは驚いたぜ。女の子ってのはてっきり男前な奴らが好きなもんだとばっかり思ってたからよォ」


名前「何を言うんだ新八っつぁん!
美男も美女も私の大好物だ!!ちなみに君達も例外じゃないよっ(^_-)-☆」


藤堂「……悪寒がした」


名前「平助ひどい!!とりゃ!」




私は平助のほっぺをミョーンと引っ張る。

でも、いでででで!と暴れられたので離してあげた。




原田「あん時から俺ら、頑張って金貯めてたんだぜ?……それに、屯所にいたんじゃ腹いっぱい食えねぇだろうしな。此方に来てから、俺たちに遠慮してあんまり食ってねぇんだろ?」




初めて会った時より随分痩せたよお前、と言って左之さんは私のほっぺを突っつく。


え、私痩せたのかな…?

体重計なんてないからわからないけど…。


……まあでも実を言うと、めちゃくちゃ食欲旺盛なこの3人のご飯を盛る時は、ちょっと私の分から取って多めに盛っていた。

主戦力のこの人たちに倒れられたら困るしね。

もしかして、気付かれてたのかな…?




永倉「そうそう!だから今日は一緒に飯をたらふく食おうぜ!!」


名前「うんっ!行く!!」




みんなの言葉が、すごく嬉しかった。


もちろん、私に美味しい物を食べさせようとしてくれてるのも泣きそうになるぐらい嬉しかったけど、

何週間も前に言った私のただのワガママを、酔っ払いながらもちゃんと聞いていて覚えていてくれて、本当に叶えてくれたのが何より嬉しかった。
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