薄桜鬼『桜恋録』1
□No.12 A
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〜 名前 side 〜
──── 次の日。
朝起きて枕元に置いてあった金平糖にはしゃいでいると、源さんによって土方さんの部屋に連れて行かれた。
名前「し、失礼しまーす……」
土方さんの部屋には、近藤さんや土方さんや山南さん、それに左之さんに新八っつぁんに平助までいる。
……えっ、何これ。
土方「そこに座れ」
名前「は、はい……」
………まって、やばい!!!!!
昨日私、土方さんに呼び出し食らったのにすっぽかしてた!!!!!
うっっっわやばい、これはやばい!!
みんなに公開処刑されるレベルで怒ってるってことでしょ、やばすぎる!!
これ過去一の雷来るぞ!!!!
名前「すっ、すみませんでしたああああっ!!!」
私は咄嗟に勢いよくその場でジャンピング土下座をかました。
……恐る恐る顔を上げれば、近藤さんと山南さんは困惑したような顔をしており、土方さんは「はぁ?」と言いたげな顔をしている。
……あれ?
何か間違えたか?
近藤「……ええと、苗字君。何を謝っているのかね?」
名前「えっ、昨日の土方さんの呼び出しをすっぽかした件じゃないんですか?」
土方「すっぽかしたも何も、お前監禁されてたんだろうが」
名前「えっ、あっ、そうか」
よ、よかった。
すっぽかしたことにカウントされないのか。
山南「苗字君、頭は大丈夫ですか?」
名前「あっ、すみません。頭おかしいのはいつものことなのでお気になさらず」
山南「……苗字君、怪我のことですよ」
名前「えっ、怪我?」
山南さんがめちゃくちゃ苦笑いしてる。
……そういえばあの時、頭殴られて気絶したんだっけ。
後頭部を触れば、なんだかタンコブみたいなのができている。
新八「名前ちゃんもなかなか石頭だなぁ。結構大きめの石で殴ったらしいぜ、奴らは」
名前「えっ、マジか」
藤堂「切れてなくてよかったな、縫う羽目になる所だったぞ」
名前「気持ち悪いからそういうこと言わないでよ」
グロテスクなものは見るどころか、想像するだけでダメな人間なのです。