薄桜鬼『桜恋録』1

□No.14 B
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こんにちは、苗字名前です。


先程は千姫の優しい心遣いによって救われました。

今は千鶴の部屋で、私と千鶴と千姫でおしゃべり中です。


まさか、こんな所で推し達と女子会ができるとは……。




千姫「 ──── そうだ!私、さっき名前ちゃんに渡しそびれたものがあって。それもあってここに来たの」


名前「えっ、私に?」




千姫はそう言うと、懐から2つの小さな箱を取り出した。

そのうちの1つを私に差し出してくれる。




千姫「これ、よかったら貰って?」


名前「えっ、ありがとう!」


千姫「はい、こっちは千鶴ちゃんに」


千鶴「えっ、私にも?ありがとう、お千ちゃん!」




なんだろう?


ワクワクしながら箱を開けると、中にはとても綺麗な模様が施された紐が入っていた。

その色も、澄んだ青色でとても綺麗だ。


これって……。




名前「……もしかして、下緒?」


千姫「ええ。名前ちゃんが青で、千鶴ちゃんが赤の色違いにしてみたの」


名前「えっ、千鶴とイロチ!?」




千鶴がもらった箱を覗き込めば、私が貰ったものと同じデザインの、赤い下緒が入っていた。


え!!!

千鶴とオソロのイロチとか嬉しすぎるんだが!!!




名前「えええ!!すっごい嬉しい!!ありがとう!!」


千鶴「私も嬉しい!本当にありがとう、お千ちゃん」


千姫「いえいえ、喜んでもらえてよかった!」


名前「ね、千鶴!付けてみようよ!」


千鶴「うん!」




結び方がわからないので、千鶴に私の分も付けてもらった。

千鶴の刀には赤い下緒、私の刀には青い下緒。


め、めっちゃいい……!!

千姫センスありすぎる!!!




千姫「……さて、下緒も渡せたことだし、私はそろそろ帰ろうかな」


名前「えっ、もう帰っちゃうの?」


千姫「ええ。あんまり長居するわけにはいかないわ。迎えも来ているし」


千鶴「そっか……外まで送るよ」


名前「私も!」


千姫「ありがとう」




楽しい時間は本当にあっという間だ。



迎えに来ていためちゃくちゃ美人なお姉さんに連れられて、千姫は帰って行った。


確かあのお姉さんは、君菊さんだったかな?

お美しすぎました。

Wik○pediaによると、私と君菊さんは同い年らしいです、信じられません。


あと、またね、と手を振ってくれる千姫の姿がめちゃくちゃ可愛かったです。




千鶴「私、夕餉の支度してくるね」


名前「あ!私もやる!」


千鶴「えっ、いいよいいよ!名前、疲れたでしょう?ゆっくり休んで」




でも、と言いかけたが、なんだか急に体がズッシリと重くなった気がする。




名前「……ごめんね。じゃあ今日はお言葉に甘えさせてもらおうかな」


千鶴「うん!今日は本当にお疲れ様!」




また後でね!と言って千鶴は走って行った。

天使たちとの会話でめちゃくちゃ癒されたけど、体の方はやっぱり疲れきっているみたいだ。



夕餉までちょっと寝るか、と思い部屋に向かっていた時。
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