薄桜鬼『桜恋録』1

□No.20
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〜 名前 side 〜




この部屋に引きこもってから1週間ほどが経過した。


……まさか、自分が塞ぎ込んでしまうなんて。

本当に情けない。

一応、鋼のメンタルは持っているつもりだったんだけどな。



……だけど、これからどうすればいいんだろう。

こんな風になってしまって、私はみんなに迷惑をかけまくっている。


それに、みんなに会うのがこわい。

また理性を失って、暴走してしまうかもしれない自分が、こわい。



……それならいっそ、もう私なんていない方がいいかもしれない。

理性を失い、下手をすれば仲間に害を与えるかもしれない私なんて。



私は、脇差を抜いた。

刃には、私の虚ろな顔が映っている。



……そういえば、ここで死んだらどうなるのかな。

元の世界に帰れるのかな。


きっと私は、この時代には向いていない。

人殺しが日常的に行われているこの時代は、私には合っていないんだ。



これ以上みんなに迷惑をかけるくらいなら、帰ろう。

確証はないけど、少しの可能性を信じて。


そう思い、私は自身の胸に刃を向けた。


そして、
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