薄桜鬼『桜恋録』1

□No.20
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──── 足音を立てないように広間へ近付き、そっと数ミリ襖を開けて中の様子を見る。


……しかし中の様子に、私は愕然とした。



え、なにこれお通夜?


なんで誰も喋ってないの?

なんで平助も新八っつぁんも騒いでないの?

なんで沖田さんも近藤さんも笑ってないの?


なんでこんなに空気重いの?


なにこれ気持ち悪いんだけど。

気持ち悪い通り越して怖いんだけど。


……さすがの私でも、この空気の中入っていくのは気が引けた。

やっぱり、部屋に戻ろう。


そーっとその場を去ろうとした、その時。




──── ガツッ………




名前「ぎゃーーーーーっ!!!!!!」




………壁に、足の小指をぶつけた。

私は足の小指を抑えてその場で転げ回る。


いってえ!!!いってえ!!!!!

ちょ、ヤバイマジで思いっ切りやったわ、小指もげそうなんだが!!!

うぬおおおおおおいてええええええええええ!!!!!!!


と、1人悶えていると。




藤堂「 ──── 名前っっっ!!!」




いつの間にか襖が開いていて、平助が立っていた。




名前「……へ、すけ……あ、はは………お、お久しブリーフ………」




なんと言っていいかわからず、私の顔は引き攣る。

てか小指痛い!!!
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