ヒロアカ『Anemone』

□No.4
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?2「おう!お前こそ、あの時は熱かったぜ!俺よ、お前の漢気に痺れちまったんだ!!」




目をキラキラと輝かせて身を乗り出してくるツンツンレッドガッツさん。


はて、漢気とは何のことだろうか……?

何か特別な事をした覚えはないが、差し出された手を握って握手をする。




切島「俺、1Aの切島鋭児郎!お前は?」


名前「私は風花名前!私も1Aだよ、よろしくね」


切島「うおっ、マジか!すっげえ偶然じゃねえか!これからよろしくな!」




なんだか、熱血スポーツマンって感じだ。

私、こういう元気な人好きだなー!




名前「そうだ、切島も何か飲まない?あの時のお礼に奢るよ」


切島「マジか、サンキュ!やっぱ男前だなおめぇ!じゃあ、サイダーいいか?」


名前「もちろん!」




なんだろう、彼とは凄く波長が合う気がする。

この短時間ですぐに仲良くなった私達は一緒に教室へ戻った。

だけど切島とは少し席が離れてた、残念。


そろそろ先生も来そうな時間なので、私は大人しく自分の席に着いた。




名前「ほれ勝己、コーラ買ってきたよ」


爆豪「おせーよアホ」


名前「ごめんごめん」




全く、人使いが荒いんだから……。




名前「……そういえば、出久ってどこのクラスかな?同じだといいね!」


爆豪「ふざけんな死ねクソ女!!!」


名前「なんで!!?」




相変わらず理不尽な!

それになんか勝己、急に不機嫌になったな……。


すると、ツカツカという足音が後ろから近付いてくる。

なんだ?と思って振り返れば、その人は私の席を通り過ぎて勝己の元へ。

なんだか真面目そうな、メガネの男子生徒だ。




?3「おい、君!机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」




何かと思えば、勝己が机に足をかけて座っているのが気に食わなかったらしい。

それをわざわざ指摘しにくるとは……。

その正義感の強さ、さすがヒーロー志望なだけある。


こんないかにもヤンキーのような雰囲気を振りまいている勝己に、入学早々近付こうなんて普通なら思わないだろう。




爆豪「思わねーよ!てめー、どこ中だよ端役が!!」




どこ中だよって、本当にヤンキーみたいなこと言うんだなぁ……。

呆れて彼を見ていれば、ロボ眼鏡君 (動きがロボットみたいだから)は勝己の言葉を受け入れて、素直に自己紹介を始めた。




飯田「ボ……俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」


爆豪「聡明〜〜〜!?くそエリートじゃねえか、ぶっ殺し甲斐がありそうだな!」


飯田「なっ……!君酷いな、本当にヒーロー志望か!?」


名前「ちょ、ちょっと勝己!何言ってんの!」




初対面の、しかもこれから一緒に過ごすクラスメイトにこの態度はまずい。

すると、飯田天哉と名乗ったロボ眼鏡君の視線が私へと移った。




飯田「ん?君は……」


名前「あっ、私は風花名前だよ!ごめんね、うちの幼馴染みが失礼しました」


爆豪「何ふざけた事言ってやがんだてめぇ、ぶっ飛ばすぞクソ女!!」


名前「ふざけてんのはあんたでしょうが!クラスメイトにぶっ殺すはないでしょう!?」


爆豪「てめぇには関係ねえだろうがすっこんでろ!!」


名前「いーや、すっこまないね!!」




見知らぬ人達ばかりのクラスでも勃発する喧嘩。


ほんっとに勝己は!

他の人にも失礼な事を言わないように見張っておかなければ。


すると教室の大きな扉が開き、よく見知ったモサモサ頭が現れた。




名前「えっ、出久じゃん!おはよー!」


緑谷「えっ、名前ちゃん!?」




現れた出久にブンブンと手を振れば、彼は驚いたような顔になった。

まさか同じクラスだとは思わなかったのだろう。

私も内心驚いている。


そうか、私の後ろの空いている席は出久か!!

なにこれ、凄い偶然じゃん!!



すると、出久に気付いたらしくロボ眼鏡君が再びツカツカと歩いて行き始めた。

出久の元へと行き、2人で何やら話している。


ロボ眼鏡君ってもしかして、ああやってクラス全員にもう話しかけたのかな?すごいなぁ……。
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