ヒロアカ『Anemone』

□No.0
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「──── 絶対に私は死なないわ。だから私を信じて、待っていて」




そう言って渡された、紫のアネモネのペンダント。


行かないでと泣きついてそのお守りを貰ったあの日から、もう3年が経つ。

私は13歳になっていた。





──── 2週間前、突然お父さんが死んだ。

病気だった。



そして今日からお母さんは仕事に戻らなければならない。


嵐太と風優は、そんなお母さんに泣きついていた。

行かないで、いなくならないで、と。

その様子は、あの時の私と同じだった。




名前「……嵐太、風優」




お母さんに抱き締めてもらっている2人を、静かにこちらへ引き寄せる。




名前「大丈夫!お母さんは死なないよ。お母さん、すっごく強いもん!お母さんが約束破ったことないじゃない、すぐに帰って来てくれるよ」




目を真っ赤にして泣いている2人の顔をしっかりと見る。


大丈夫、大丈夫。

ほら、笑いなさい、私。




名前「だからお母さんを信じよう。一緒にお母さんを待とう。大丈夫、嵐太と風優は私が守るよ!」




ポロポロと涙を零しながらも頷く2人。

ごめんね、と謝る母の声が聞こえた。



W大丈夫だよ、大丈夫!W


もう何度その言葉を口にしただろう。




名前「……行ってらっしゃい、お母さん!」




さあ、今日も笑おう。


──── お母さん、貴方を信じているから。



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