ヒロアカ『Anemone』

□No.4
1ページ/5ページ




──── 今日はいよいよ入学初日。


嵐太と風優を学校へ送り出し、今まで通り勝己と一緒に登校する。



クラスはまさかの勝己と一緒。

めちゃくちゃ嫌そうな顔されたけど、本当は心の中で喜んでるの知ってるからね!!



──── ゴツッ!!




名前「いだいいいいっ!!?なんで急に殴るの!?」


爆豪「てめぇがアホな事考えてるからに決まってんだろうが!!」


名前「心読めるの!?」


爆豪「全部口に出とったわボゲ!!!」




痛いなぁもう、タンコブできそう。

教室に着いてバカでかいドアを開ければ、少し早かったようで中には数人しか人がいなかった。




名前「おはよーございまーす!」


爆豪「……うるせぇ」


名前「いいじゃんか、第一印象大事よ!ほら笑って!オーライ!世界はずっとあなたに今日も笑いかけている〜!!」


爆豪「歌うなうるせえ死ねクソ女!!」


名前「ひでぇ」




教室に入っても私達は通常運転。

いつも通り言い合いをしながら自分の席を探す。




名前「お、あったあった。……って、勝己の真後ろじゃん!ウケる!!」


爆豪「何がだよ!!」


名前「そうとなりゃ勝己の背中に『短気』って書いた紙貼ろっと」


爆豪「ふざけんな席替われや!!!」


名前「背後には気を付けろよ( -ω- ´)フッ」


爆豪「死ねカス!!!」




まさか、席まで近いとは。

まあでも、近くに知り合いがいるのはちょっと安心かも。




名前「なんか喉乾いちゃった、飲み物買ってこようかな」


爆豪「コーラ買ってこいや」


名前「パシリかよ畜生め」




仕方ねえな、優しい私が買ってきてやるとするか。


財布を持ってふらふらと広い校舎を歩く。

案外自販機はすぐ見つかった。




名前「えーと、コーラと……私はお茶にしようかなぁ……」




うわ、ちょっと高い。

学校のくせにぼったくりかよ、今度からは水筒を持ってこよう。


ピッピッと無機質な音が廊下に響いた時だった。




?2「 ─── っあーーー!!お前、入試の時の!!」




大きな声を背中に受けて、私はビクリと体を震わせた。

恐る恐る振り返れば、赤髪のツンツン頭が印象的な男子。


なんか聞き覚えのある声な気がするけど、誰だっけ……?

こんなに目立つ髪型なら、関わったら忘れないと思うけど。



……しかし彼の顔をじっと見ていると、ふと頭を過ぎったのは入試の時に私を庇って助けてくれた、黒髪の少年の姿。

なんだかその人に似ているような。

というか、勝己と出久以外で顔見知りの男子はその人しかいないはずだし。




名前「……もしかして……試験の時に私を助けてくれた人、ですか?」


?2「うおっ、覚えててくれたのか!?つか、助けたってほどのもんでもねえけどよ……」




そう言ってポリポリと頬を掻くその男子。

やっぱり、私の記憶は間違ってなかったらしい。




名前「やっぱり!?わあ、マジか!ガッツさんがレッドツンツンガッツさんになってる!すごい、イメチェン!?強そうだしかっこいいね!」


?2「おう、サンキュ!つか、何だよレッドツンツンガッツって!はははっ」


名前「赤髪ツンツンだしあの時はナイスガッツだったから!あの時は本当にありがとう」




入試の時、私と怪我をした女の子を助けてくれた元黒髪のガッツさんだった。

この人も合格してたんだ!何だか嬉しい!
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ