ヒロアカ『Anemone』

□No.6
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〜 上鳴電気 side 〜




晴れて雄英生となった俺。

入学して早々、クラスメイトの中に美少女を発見した。


名前は風花名前。

どうやらいかにもガラの悪い爆豪とかいう男と仲がいいらしく、初日からクラスの中では目立っていた。


だけど、とにかく可愛い。

学校どころか、県内で一番の美少女じゃないかってくらい可愛い。

これは声をかけるしかねえよな!



入学2日目、俺は爆豪がいない時を見計らって風花に話しかけた。

爆豪は風花の周りを番犬みたいに彷徨いてるからな、アイツに見られたら噛み付かれそうだ。




上鳴「なあ、風花だっけ?」




ぽん、と肩に手を置いて話しかければ驚いたように振り返る風花。

だけどすぐに花のように綺麗な笑みを向けてくれた。


か、可愛すぎるっ……!!!





名前「うん、風花名前だよ!えっと、ピカ……じゃなかった、上鳴だっけ?」


上鳴「そ、上鳴電気。……てか今ピカ○ュウって言いかけたか?」


名前「あはは、ごめんごめん!電流のイメージがすごくて。よろしくね、上鳴」




へらっと笑う風花。


くっ、くるもんがある……!

とりあえず、風花と爆豪の関係を聞いてみねえとな。




上鳴「よろしくな!な、風花って爆豪と付き合ってんの?」


名前「……えっ、えええっ!?そんなんじゃないよ!やだな、そんな風に見えてるの?」


上鳴「いや、昨日とか割と仲良さげだったからさ」


名前「あー……まあ、幼馴染みだから……」




お、幼馴染み……!?

なんだよそのシチュエーション、爆豪が羨ましすぎる!!

こんな可愛い幼馴染みがいるとか、コミックの世界かよ!?


……とりあえず2人が付き合ってないのなら、これは風花とお近付きになる絶好のチャンスだ。




上鳴「へーそうなん!てか今日暇?飯とか行かね?」


名前「えっ?」


上鳴「なんか奢るけど、何好きなん?」




……その瞬間だった。

風花の目が、キラーンと効果音が付きそうな程に輝いたのは。




名前「……え?奢り?上鳴の奢り?」


上鳴「お、おう。女の子にお金出させるとか、俺がするわけねーじゃん?」


名前「マジか!めっちゃ良い奴だね、上鳴って!よっしゃノッた、今日ね!」


上鳴「お、おう……」




……あれ?なんだろう、なんかイメージ違うんだけど。

風花の目はギラギラと輝いていて、ガッツポーズまでしている。


飯行けるのは嬉しいんだけど、なんか違うような。

全然デートに行く雰囲気じゃなくねえか、これ。


……その時だった。



──── ゴツッ




爆豪「図々しいんだよてめぇは!!!」


名前「いだああああ!!!」


上鳴「!!?」




いつの間にか、風花の後ろに爆豪がいた。


こ、コイツ……。

こんなに可愛い女の子の頭を、容赦なく殴りやがった!!


すると爆豪がキッと俺に視線を移す。




爆豪「おいてめぇ!こいつ、他人の財布で飯食える時エグいくらい食うからな!!そんでタッパーとか持ってくるからな!!わかったら誘うんじゃねぇこんな女!!」


上鳴「……た、タッパー……」




なんだか予想外の方向から怒られた。

いやあの、タッパーて。


一方風花は頭を擦りながら、涙目で爆豪を睨みつけている。




名前「酷いよ勝己!せっかくご飯代浮くところだったのに」


爆豪「馬鹿かてめーは!おい、こいつに絶対奢るなよ、お前が破綻するぞ!!」


上鳴「……は、破綻……」


名前「流石にそこまではしないよ!」




……どうやら風花はなかなか変わってる子らしい。

それはそれで面白そうだけど。


つかこの2人、これで付き合ってねえのか?




上鳴「……やっぱり2人って付き合ってるんじゃ、」


名前・爆豪「「付き合って ない/ねえ!!」」


上鳴「す、すんません……」




ギロッと2人から睨まれて、思わず一歩後退る。

息ピッタリじゃん、めちゃくちゃ仲良いじゃねえかよ……。


正直これは、付け入る隙は無さそうだ。


だけど、風花は面白そうな奴だと思った。

なんつーか、人を惹きつける何かを持ってる気がするんだよな。


仲良くなりてえと、爆豪と口喧嘩をする風花を見ててそう思った。
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