ハイキュー 『君の隣で』

□No.2
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──── とぼとぼと1人歩く道にほとんど人はいない。

当然、今は部活の時間帯だからだ。


田中には用事があると言ってしまったものの、本当はそんなものない。




……1話で読者のみなさんは察していると思うが、私が部活に行けない理由には"旭さん"がからんでいる。


3年生の東峰旭さん。

実はちょっと……ケンカ?をした。

2、3週間くらい前のことだけど、未だに顔を合わせてないし、気まずくて部活にも行けない。



……だけど、私が悪かったんだよなぁ。

私も田中と同じでデリカシーなんて持ち合わせてないから、旭さんの懐にズケズケと入り込んじゃって。

あの人だって責任感じていっぱいいっぱいだったはずなのに。

あの時彼を鼓舞するつもりで言ってしまった言葉は、反対に彼の心を抉ってしまったのだ。



でも、そろそろ腹括って謝りに行った方がいいよなぁ。

旭さんに会うのが怖くて謝りに行けてなかったけど、ずっとこのままなんて嫌だし。

逃げてばっかりじゃダメだ、絶対に。


旭さんは明日来るのかな。

来てたらちゃんと謝りたいなぁ……。



旭さんの事を考えながら歩いていれば、ふと思いついたのは彼の身に付けているバレー用品。

そういえば、旭さんのサポーターそろそろ替え時じゃなかったっけ。

謝るついでに、新しいのプレゼントしようかな。


よし! そうと決まればちょっと遠いけどスポーツ店に行こう!

喜んでくれるかな、旭さん。



私は旭さんの笑顔を想像しながら、るんたるんたとスキップしながら買い物をしに行くのだった。
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