Free! 男主

□No.2
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夏輝「…うわー、デッケェな鮫柄…」









室内である鮫柄のプールとその大きさに、夏輝は思わず声をもらしていた。








真琴「うん。…やっぱり屋内はいいなぁ…」









鮫柄の部員達が見せる豪快な泳ぎを目にしながらも、真琴は呟いた。








…それよりも。




夏輝が気になっているのは…










夏輝「なぁなぁ、お前怜って言ったっけ?

渚に名前のせいで勧誘されたんだって?」


怜「入部してません仮入部です」









冷静にツッコまれながらも、夏輝は竜ヶ崎怜に話しかける。








夏輝「な、お前専門何?

なんかバッタとかやってそうだな」


怜「僕は泳ぎません」


夏輝「え、なんで?」


怜「あなたもでしょう」









ちぇ、とばかりに夏輝は怜に構うのを諦める。








夏輝「つれねぇなぁ、最近の若者ってのは」


怜「どこの上司ですか」







…にしてもやはり、さすが水泳の強豪校だ。





みんな体がしっかり出来上がっている。











夏輝『って、俺まで江みたいになってる…』










隣にいる江は、やはり目を輝かせて選手の筋肉を眺めていた。









江「夏輝先輩、夏輝先輩!

あの人の筋肉すごくないですか!?」










と、こんなふうに袖を引っ張られるのももう3度目。







…まぁ、初めに「うおっ、みんな筋肉やべーなぁ」と言い出したのは夏輝だったので仕方ないのだが。










夏輝「はいはい。

ったく、次はだれ?」


江「あの人です!」









と言って江が指さしたのは、ストレッチをしている1人の生徒。











ーーー 金髪に、黒く綺麗な瞳。





身長は高めで、全体的にバランスの取れた理想の体型だ。















すると、











夏輝「…え、」











その視線に気づいたのか、その生徒は夏輝の方を見た。









夏輝とガッツリ目が合う。












夏輝は一瞬戸惑ったが、いつものようにニカッと笑ってみせた。














?「…」











すると、その生徒も小さく微笑み返してくれる。




そして彼は他の部員に声をかけられどこかへ行ってしまった。











江「もう本当にいい!顔もかっこいいし…」







などと江が言っていると、鮫柄の部長・御子柴清十郎が話しかけてきた。











御子柴「やあ、よく来てくれたね」


「「「「「「よろしくお願いします」」」」」」


御子柴「ああ。

…君、七瀬くんだろ?

小学校時代、件の大会で何度か優勝してるよね」








と御子柴は遙に話しかけ始める。







その向こうに、江は見知った顔を見つけた。










江「あ、お兄ちゃん!」






そこにいたのは、







凛「江、何余計なことしてんだ」








松岡凛だった。










渚「凛ちゃーん!

また一緒に泳げるね、今日はよろしくね」


凛「…一緒に?

はっ、お前達じゃ相手になんねぇ…」











と言って凛は去って行く。










ーーー その去り際に、夏輝と凛は目が合った。









一瞬ハッと息を飲んだ凛だが、すぐにあの時のように夏輝を睨みつけると去ってしまう。











夏輝『凛…』
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