薄桜鬼 『突撃!新選組の晩御飯』
□No.5
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──── つんつん、つんつん………
名前「………う………?」
ほっぺをぷにぷにと触られる感覚に、私は重い瞼をゆっくりと開けた。
ぼんやりとしていた視界が次第にはっきりしてきて、
沖田「……あ、おはよう」
名前「ぎゃーーーーーーっっっ!!?」
そこには、ベッドに腰掛けている沖田さんの姿が。
なんで!!?なんで!!?
私はベッドからずり落ちかけていた布団を勢いよく頭まで被った。
名前「なんでいるんですか!?」
沖田「非番だから」
名前「いつから!?」
沖田「半刻くらい前」
名前「長っ!!ていうか勝手に寝室に入ってこないでください!!」
半刻って1時間くらいでしょ、めっちゃ前からいるじゃん!!
普通寝室に入ってくるか!?プライベートもあったもんじゃない!!
最っ悪、沖田さんにすっぴん見られた!!寝顔も見られた!!
沖田「ねえまだ起きないの?暇なんだけど」
名前「勝手に来ておいて文句言わないでください!!」
布団から腕だけ出して手探りでスマホを探す。
画面に表示された時間を見れば、9時だった。
くっそ、まだあと1時間は眠れたのに沖田さんのせいで完全に目が覚めてしまった。
名前「ちょっと、早く出て行ってください!起きれないので!」
沖田「酷いなぁ。なんで僕がいると起きれないの?」
名前「すっぴんだからに決まってるじゃないですか!!」
沖田「……なんだ。そんなの、さっきからずっと見てたよ。昨日よりも幼くて可愛いね」
最っ悪!!ずっと見てたって何!!?
幼くて可愛いねって………何の罰ゲームだよこれ!!
……あーもう、1回見られちゃったのならもう隠しても意味が無い。
恥を捨てて、私はガバッと布団を剥いで起き上がった。
沖田「……やっと起きた。おはよう名前ちゃん」
名前「………おはようございます、沖田さん」
沖田「………『沖田さん』?」
名前「あ、やべ。……おはよう総司君」
朝から真っ黒なスマイル頂きました、ありがとうございます。
……てか寒っ!この部屋寒っ!!
名前「……ちょっと総司君!こんな寒い所にいたらダメだよ!早く下に行こ!!」
沖田「君が起きないからじゃない」
ゲームでは確か、寒さのせいで沖田さんの症状が悪化していたはず。
それを思い出した私は、ぶつくさ文句を言っている総司君の手を引いて、どたどたと階段を下りた……。