Boys Love
□Addiction
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「…ターレス様、間もなく到着です。」
「──そうか…ご苦労。」
部下の声で多少凝り固まった身体を起こす。
思い出していた、遠い記憶を。それは記憶と言って良いのかわからないほど霞んで感情のないものだった。
数えてみればかれこれ数十年も昔のことだ。惑星ベジータ消滅の時にいっその事死ねたならまだ救いようがあったものを、自ら生き延びることを選んで苦しんでいるのだからおかしな話だ。
そんな自分を嘲り笑うことも最近は少なくなったものだ。忘れてしまいさえすれば悩みの種は芽吹くことはないのだから。
だが時間が全てを解決してくれるわけもなく、こういうものはふとした瞬間に思い起こされる。
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