夢長編 番外編

□奇面組長編 番外編
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「おい零!!ヘマやらかすのも
いい加減にしろよ!?」
「に”ゃーっ!!ご、ごめんなのだ
妖くん!!ま、まってブレーキブレーキ!!」


ここは妖、零、塊、翔が
共にシェアハウスという形で住む屋敷
とある屋敷の一室で‥零は妖に
胸ぐらを捕まれぶん殴られていた
なぜこんなに怒っているのか?それは
彼らの”種族”が原因のひとつである




「血吸ってる所を見られやがって‥
いいか!!見つかりでもしてハンターに
知らせられたら終わりだろうが!!」
「す、すまん〜〜!!」
「全く零は爪が甘いなぁ」
「お前は血に困らないからいいよな
女が集まるから」




きらり、と光る生えた鋭い牙
そう‥彼らは吸血鬼なのだ
翔は腕を後頭部にまわし
ソファに寄りかかりながら
ケラケラと笑う



「しかしさー、人間って変な風に
吸血鬼のこと勘違いしてるよなー
太陽が苦手とかニンニクが苦手とか‥
太陽もニンニクも十字架も平気なのにね俺ら」
「どっから出たんだあんなデマ」



それも‥十字架やニンニクや太陽が
効かない吸血鬼と来た
んなもん聞かねー、と妖はケラケラと笑う




「しかし‥どうしたものだろうな
一度も”美味”と感じた血に出会えないなんて」
「「それは最も」」



うんうん、と頷き同意する
そして話は今までに吸った同級生の
血の味の物になった



「豪くんや大くん、潔くんと仁くんのは‥
なんというか個性的で舌に残る味だったな、
まぁそれが私たち奇面組なのだが」
「俺んとこの奴らはなんというか
味が濃ゆいんだよな」
「俺ん所もだぜ?」
「こっちは逆!!鉄分足りてないから
味が薄くってさー」



はぁー、とでかいため息をついて
不満を漏らす



「‥1度でいいから心の底から
”吸いたい!”って思える血を持つ
人に出会いたいものだ」



零達のその願いは‥
時期に叶うこととなった
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