夢長編 番外編

□奇面組長編 番外編
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「ねぇ知ってる?数十年前にこの高校で
起こったおぞましい恋の話…もちろん
ホントの話ね」
「知らない、何それ?」
「この高校では有名よ、あんた転校して
来たから知らないでしょ?教えたげる」



数十年後の一応高校に通う2人の
女生徒、そのひとりが咳払いをすると
その話を語り出す
新聞にもニュースにもなり
なんとも悲しい事件の話を……



…………………………………………………………………………………
塊視点


愛花 薫 理央菜 琉絵の姉妹が死んで1ヶ月たった
それは突然だった、愛花達の命を
奪ったのは強盗だった
彼女達が店番している時に強盗が押し寄せ、
強盗に立ち向かった彼女らは刃物には
叶わず、胸を、腹を刺されて死んだ



愛花達といつもつるんでいた
河川や宇留、伊狩先生…皆あの子たちの
死を嘆き悲しみ、絶望の底にいるかの
ような日々が続いた
中には学校を休むやつや授業中に
泣くやつもいて、あのこ達の存在は
大きかったと俺は思う



新聞やニュースに愛花達の写真は
掲載されていて、コメントには彼女達の
容姿を称える物や犯人に対する怒りの
コメントや見出しがあった

でも、学校の誰よりも俺と切出
一堂と似蛭田の方が絶望の底にいて
悲しみにあけくれていた





俺と愛花

一堂と薫

切出と理央菜

似蛭田と琉絵は恋人同士だった





「…………嘘、嘘、嘘、だよな?
あぁ、あ…愛花、愛花…ぁ…!!
う”ぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」




愛花の死を知って俺は頭が回る
ような感じになって、心の中も何か
重いものがのしかかった上に締め付けられた
みたいになって思わず発狂して、嘔吐した
…他の3人も同じだったらしい



一目惚れしたその時からずっと、結ばれ
たくって頑張って距離縮めて、あの日に
告白してOKもらった時は嬉しかった
デートしたり、キスしたり、色んな事
経験して色んなとこ行って思い出は
沢山あるし思い出せる


愛花と何話そう何しようとか
思うことは沢山あるのに、学校行っても
どこいっても彼女の存在はなくて
あるのは彼女が”いた”形跡だけで
あぁ、本当にあの子は死んだんだと
自覚はできたけれども出来なかった
まだ、俺は信じたくなかった
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