最高で最強なお馬鹿さん!

□野生少女、旅に出る
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「マジュちゃん、イッシュ地方行きのチケット持った?忘れ物ない?大丈夫?」

「持った!大丈夫!」

「ウツギ博士、私達がいるから心配はいらない。」



マジュ、エンテイ、ライコウ、スイクン、ウツギ博士の四人はアサギの船着き場にいた。
マジュの手に握られているのはイッシュ地方行きのチケット。


そう。今日、四人はイッシュ地方へ旅立つのだ。



何故こんなことになっているか、
それは遡ること1週間前…





…………



「なぁー、エンテイ、ライコウ、スイクンー」

『ん?』

『はい?』

『なんだ?』

「ポケモントレーナーってなんだ?」

『『ポケモントレーナー?』』





いきなりポケモントレーナーについて質問してきたマジュに三匹は思わず聞き返した。



『ポケモントレーナーといえば…ポケモンをボールなどで掴まえて強くする人間のことでしょう。どうしたんですかマジュ急にそんなこと聞いて?』


「んー、ヒビキが今日ポケモントレーナーになるって言うから気になったんだ
あたい。」

『ヒビキ?…んなやつ確かいたな。
ワカバタウンの奴だろ?』

「ヒビキ、3日後に旅立つんだって…
ポケモントレーナーって何が目的なんだ?教えてくれよー」

『『んん…』』』


「ポケモントレーナーの目的は自分のポケモンを強くして、夢を叶えることさ。」

『「!?」』





さてどう説明しようかと悩んでいるといきなり後ろからその返答が来た。
何者だ、と警戒心を高める三匹にその声の主は彼らをなだめる。




「待ってよエンテイ、ライコウ、スイクン!僕だよウツギ博士!!」

「あっ、ウツギのおっちゃん!!」

「あぁ、なんだウツギ博士…」





ウツギ博士だと認識した三匹は擬人化して挨拶をした。
その三匹…エンテイ、ライコウ、スイクンは擬人化できるのだ。



「やあ、ごめんよ驚かせて…」

「ウツギのおっちゃん、ポケモントレーナーってみんな旅するもんなのか?」

「うん、そうだと思う。トレーナーそれぞれだと思うけれど街村や海や世界をあちこち旅してその街のジムリーダーに挑んだりしてたりするよ。」

「旅…?」





旅、


それは今まで森で暮らしていたマジュにとって聞きなれない言葉だった。

今まで森とワカバタウンしか見たことがなかったマジュ。


街、村、海…

彼女は一度も見たことがない。



他のところはどうなっているんだろう。

海ってなんだろう、街ってなんだろう。


ウツギ博士の話を聞けば聞くほどその好奇心は募るばかり。



そして、マジュは決意した。




「ウツギのおっちゃん!!」

「!?ど、どうしたのマジュちゃん!!」



「あたいも旅したい!!あたいもトレーナーになる!!」





その言葉を理解するまで、5秒前…

アルスの森に、四人の驚きの声が響き渡った。
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