短編

□明日からは
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ゆーり、お願いだからずっとそばにいて。


いよいよ今日で彩さんは卒業する。同じチームになってから仲良くなって、私はいつからか彩さんに恋をしていた。

「なあなあ、ゆーりどこいったら知らへん?」

彩さんが私を探している声を聞きながら、階段に座る。ここ数ヶ月でだいぶ距離を近づけることはできた。ただ、大事なあの一言が言えない。

「ここにおるんやったらちゃんと言いや。」

やっと私を見つけた彩さんがきた。彩さんは私の気持ち、気づいて寄ってきてくれてるんだろうか。


私の卒業発表を終えてから、ゆーりはどんどんたくましくなって、日常でも甘えられるようになった。ピアスも似たように開けて、席もだいたい隣で、ホテルも2人になった。ゆーりといる2人の時間が終わらないで欲しいと心のどこがで思ってしまっている…ゆーりが欲しい。

ゆーりが楽屋からいなくなることはよくあることで、今日もまた探しにいく。でも今日こそは言わなきゃいけないと思っていた。ゆーりとの区切りもしなきゃいけないと思っていた。

「彩さん…」
「ゆーり、話があんねん。」

「卒業してからもずっと私と一緒にいてくれへん?」

予想もしてなかった。まさか彩さんからこんな言葉が出てくるなんて。

「なんで泣いてるん?」

きっと片想いなんだろうと思ってたからその言葉が嬉しくて嬉しくて、気づいたら泣いてたみたい。

「彩さん、気づいてないかと思ってて、嬉しくて。本当に、大好きです…」

まさか両思いだったなんて、信じられないくらい嬉しくて。
明日からはゆーりは私のものになる。
私がゆーりを幸せにする。


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