短編
□19歳
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ゆーりの誕生日まで後5日。
もちろん私が卒業してから初めての誕生日やからすごい変な感じしかせん。
本当はやっぱ当日にあってお祝いしたかったんやけど会われへんから今日の握手会後に会うことにした。
『いま終わったー!なんか欲しいものある?』
部屋で洗濯物をたたんでいると愛しい人からLINEが来た。
「なんもいらへん!はよおいで〜」
『はーい』
すぐ返して最寄り駅までゆーりを迎えに行く。
ちょっと寒いけどゆーりに会えると思ったら寒さなんてどうでも良くて、ニヤニヤしすぎて絶対変な人やと思われてる。
「ゆーり!!!待って!!!」
足早に改札を出て歩き始めてしまったゆーりを見つけてとっさに叫ぶ。
『さやかちゃん?家で待っててくれて良かったのに、寒くない?」
「寒い!でも早くゆーりに会いたかってん。」
そう言うとゆーりは黙って手を握って、モコモコのアウターのポケットに入れてくれた。
『さやかちゃん、寒いからおててつないで帰ろうね〜♪』
だいぶ子供扱いされてるけどゆーりならそれさえも許しちゃう。会えてるだけで幸せやねんから。
「『ただいま〜』」
2人で声をそろえて家に入る。
「ゆーり、ちょっとだけここで待っててな。いいって言うまでやで?」
『え、なんで?でもまあいいや、待ってる〜』
ゆーりを玄関に待たせて急いで冷蔵庫からケーキを取り出す。ごはんはもう済ませてるだろうから今日はケーキだけ。
ろうそくつけて、電気を消してっと。
「入ってええで〜}
ガチャ
「19歳おめでと〜!!!」
『さやかちゃんありがとう!!まさかさやかちゃんに2人っきりで祝ってもらえると思ってなかった!』
「ろうそく消して〜」
フーーッ
『やった!一発で消えた!』
「あははっ、19歳になってもまだまだこどもやな。あ、まだ18か!」
『ううん、もうほぼ19だもん。さやかちゃん本当にありがとう!』
「ゆーり、これからもよろしくな。」
『こちらこそです。』
ケーキとゆーりの写真を撮って、当日にインスタにでも載せようかななんて思ったのはゆーりには内緒。
これでまたさやゆーりヲタの方々が騒ぐんやろうな〜
ゆーりが19歳になっても、今まで通り、ずっと大好きやで。
私のそばでその笑顔、ずっと見せてな。