短編

□そろそろ
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そろそろ、彩さんに会いたい。


彩さんがグループの現場からいなくなって早1ヶ月ちょっと。そんな変わらないだろうとか、会えなくなるわけじゃないからって思っていたのに、隣の席にあなたが座っていないのがどれだけさみしいことか。

彩さんもさみしいかな?

さみしいと思ってくれていたらいいな。


「ねえあかりん?」
「どうしたゆーり?」

ぽっかり空いた隣の席を見ながら思わず逆隣にいるあかりんに声を掛ける。

「呼んどいて黙ってるんか?、、、さや姉がどうかした?」

空いた椅子を見つめてたら彩さんのことで頭がいっぱいになってしまった。
それでも彩さんのことだと気づいてくれるあかりんはやっぱり頼れる。

「なんか、やっぱりさみしいなって思って。」
「そりゃそうやろ、わたしでも思うもん。素直に会いたいって連絡すれば?」
「んー、、でも彩さんは別にさみしくないかも知れないじゃん。」
「もう、仕方ないなぁ」

そう言ってあかりんは自分のスマホを手にとって誰かに電話をかけ始めた。

「もしもし?さやねえ?ちょっと代わるわ!」
「えっ、ちょっと待って、彩さん?」

何しだしたのかと思えば彩さんに電話を掛けていたようで、急すぎて何を話したらいいのかも分からない。

『もしもし?あかり?』
「あの、彩さん?」
『ゆーり??なんであかりのスマホ?」
「、、、あの、」

頭が彩さんのことで爆発しそうで何も言葉にできない。

『ゆーり、今日仕事何時終わり?」
「19時には終わると思う。」
『じゃあ、今から大阪行くわ。20時には着くと思うから。じゃあまたね。」
「ちょっと待って!彩さん!」


ブチッ


切られた。何も言えなかったのに、彩さんは東京で頑張っているのに、迷惑掛けちゃった。




家について、ご飯もお風呂も済ませ、自分のふがいなさに苛立って、ソファに横たわる。

やばい、寝そう。。
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