短編

□どっち?
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珍しい人からメールが来た。

ご飯への誘い。

なんで今更みるきーが?



「さやかさーん、ねえ、さやかさんってば!」
「ん!ごめん!そんで、なんやったっけ?」

ゆーりが話しかけてきてたことに気づかなかった。それくらい私は驚いて、気持ちが美優紀にもっていかれそうになっている。


美優紀が卒業してもう2年。私たちは舞台上でのさやみるきー、つまり運命の人からは何も進まなかった。進む勇気がなかった。連絡もあれからたまにしかとっていない。


気づけば、隣にゆーりがいた。
今だって、ほら。

「さやかさん、ぼーっとしすぎですよ?疲れた?ちょっと寝ますか?」

私のことを一番に考えてくれて、ずっとそばにいてくれて、いつだって優しい。
私はそんなゆーりに惹かれたんだ。


なのに、、

たった一言のメールでこんなにも心が揺れ動いてしまうなんて、私はやっぱ、最低かもしれない。


ギュッ


ふとした温もりを感じ、ゆーりに抱きしめられたことに気づく。

「さやかさんは私のものですよ?」

さっきからゆーりの言葉に返事さえしない私なのにまたこうやって、ゆーりはいつも包み込んでくれる。

「週末、みるきーに会ってくる。」
「やっぱりみるきーさんですか?さやかさんがこうなるってことはそうかなって思ってました。」
「ごめんな。」
「なんで謝るんですか?さやかさんは私のものです。」

面と向かって、真顔でそう告げるゆーりに心なしか、すごく申し訳なくなった。
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