短編
□どっち?
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家に帰ると、ゆーりがいた。
あのとき否定できなかった私にゆーりと一緒にいる権利はない。
「ゆーり、ごめん。今日は帰って。」
ギュッ
まただ。また私はこの優しさに甘えてしまうの?
「みるきーさんから聞きました。結婚のこと。」
「えっ?」
「さやかさんが嫌だと言っても、私はもうさやかさんを離しません。これは私が決めたことなのでさやかさんは何も思わなくていいです。」
後ろから抱きしめられて、顔は全く見えないけどそれが本気がどうかくらい、私でもわかる。
「ゆーり、ごめん。」
「謝らないでください。」
きっと今は、心からゆーりに好きだとは言えない。でも、もう少しゆーりに甘えさせてもらおう。
美優紀、期待した私があほやった。
美優紀はずっとそういうやつやった。
いつだって私の先を行く。
本当に、好きでした。