短編
□そろそろ
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大阪に着いて、ゆーりにLINEしたけど未だに既読はつかない。
まさか、なんかあったわけじゃないよな??
今日だってあかりのスマホから電話してきて、きっと会いたいってことやと思ったんやけどそうやなかった?
ただ既読がつかなくて返事がないだけで不安ばかりが押し寄せ、足早にゆーりの家へと向かう。
ピンポーン
インターホンを鳴らしても返事はない。
でも電気はついてるみたい。
ゆーり、大丈夫よな??
合い鍵、持ってきてて良かった。
急いで鍵を開けて、部屋に入る。
ソファに横たわって、寝ているゆーりを発見した。とりあえず安心した。
ゆーりを見るの、いつぶりやろう。相変わらず綺麗な顔やな。そんなことを思っているのもつかの間で頬に流れたであろう、涙の跡が目に入った。
「ん、、さや、かさん、、会いたいです、、」
切ない、さみしそうな表情になったゆーりがつぶやく。寝言か。
『ゆーり、ごめんな。もっと早く会いに来れば良かった。』
なんで私はもっと早くゆーりの気持ちに気づかなかったんだろう。6つも年上で、一体何をしてるんだろう。
隣にいるのにまだ目を覚まさないゆーりをそっと抱きしめる。
「んー、、さやかさん、、?」
『あ、起きた?』
「ごめん、、わたし、また彩さんに迷惑掛けちゃった、、?」
寝起きなのに私のことばかり気にして、どこまで優しいんだろう。
私はきっとこの優しさに甘えすぎていた。
『ゆーり、さみしい思いさせてごめん。』
「、、、そんなことないよ、私こそあんな電話しちゃってごめん。}
『ううん、あんな形でもうれしかった。私もゆーりに会いたかってん。』
「え、そうだったの?」
『うん。』
久々に会話をして、改めて気づく。
私たちはお互いに不器用すぎることを。
同じことを思っているのに、それを伝えられない。
でもこれからは大好きだからこそ、そんなゆーりを私が守っていきたい。