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▽short story(1/3)
「ラジオ番組『とりま本題!』〜第四回〜」
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「はーい皆様こんにちはー。『終焉なき』夢主がお送りする前置きなしのラジオ番組『とりま本題!』第四回のゲストは鏡花さんですーパチパチー」
「よろしく」
「初めての方のために簡単に説明いたしますと、この番組は本題に至る設定説明や導入部分を省いた短編小説まがいです! つまり背景も情景も地の文も何もなし! ちなみに第一回〜第三回は閑話集に掲載しています。というわけでこの描写の必要のない真っ白な部屋の中で本題に入っていきますねー」
「何について話すの?」
「お話の内容はその時その時で違いますけど……鏡花さん宛てにお手紙も来ていますし、そちらを中心に進めましょう」
「わかった」
「それではお手紙の紹介に入りましょう。ラジオネーム『愛しの鏡花へ』さんからです。『息災にしておるかえ? 探偵社での生活はどうであろうか。そなたが幸せなら良いのじゃ。もし不届き者に困るようなことがあれば言うのじゃぞ? 先日中也が土産を買うてきてくれたのじゃ、日持ちする故、後で食べると良い』。良きお姉様というか、良きお母様というか……文面からは優しさが垣間見えますね」
「……悪い人じゃ、ないから。ただ……」
「ただ?」
「……前に送られてきた段ボール五箱の蜜柑は食べ切るのが大変だった」
「あー……愛故に、ですね。それは大変だ」
「探偵社の皆にあげて、残りはゼリーとジャムとケーキにした。美味しかった」
「あの蜜柑ゼリーはそういう経緯があったんですね。わたしも美味しくいただきました! 『愛しの鏡花へ』さんは蜜柑農家なんです?」
「私に蜜柑を送るために蜜柑農家を脅したか買収したんだと思う」
「……なるほど。愛が深いお方ですね。さすがのわたしもコメントがしづらくなってきたので次のお手紙に行きましょう! ラジオネーム『解体と治療は紙一重』さんからです。『この間は遅くまで話し込んじまってすまなかったね。この手の話は誰もできなかったからさ。また付き合ってくれるかい? うずまきでパフェを奢るよ』。差し支えなければ詳細をお伺いしても?」
「人体の急所について話しただけ。チェーンソーは切り口が綺麗にならないとか、小刀の利点を最大限に活かせる一撃の入れ方とか。いろいろと勉強になった」
「それ楽しそう……」
「あなたも今度、一緒に話す?」
「良いんですか? 是非! 鏡花さんとは一度、暗殺術についてお話を聞いてみたかったんです! そういえばうずまきのデザート、新作が出たんですよ。兎の形のパンケーキにホイップクリームといちごソースで顔とかリボンとかが描かれてて、可愛いくて」
「……兎」
「鏡花さんなら気に入ると思います! それ食べながらお話しましょう!」
「楽しみ」
「わたしもです! それでは最後のお手紙です。ラジオネーム『虎っ子』さん……可愛らしいお名前ですね、悩みに悩んで考えついたんでしょうか。『鏡花ちゃんへ。いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう。突然の同棲でびっくりしたけど、鏡花ちゃんと一緒にいられるようになって毎日が楽しいです。また一緒にお出かけしようね。敦より』。ラジオネームの意味がないですけど彼らしいお手紙ですね」
「……うん」
「鏡花さんに小さく頷いていただけました。お二人を見ているとこちらまでほのぼのしてしまいますね。お花が咲くような柔らかな雰囲気になったところで、今回はここまで! また今度もお楽しみに〜」
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