サボテン

□第6話
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東side

『椎名まきこのたび
ボーダーへ復帰しました!』

その言葉を聞いて喜ばしいはずなのに
真っ先に出てきた感情は
イラつきだった。

去る時も戻る時も結局彼女は

自分には何も言ってくれないのだと

彼女にとって俺はその程度だったのだ

と再認識せざるを得なくて

酷く気持ちが沈んだし

いくら自然消滅したとはいえ

それでも付き合っていた過去は

あったのだから一言くらい

言ってくれても良かったのでは?
そう思うと

そこにいるのが辛くなって

特に用もないくせに

用事があると嘘をついてその場を

去ってしまった訳なんだが...

「何やってんだ。俺は...」

「あら?東さんじゃない!」

「あ...加古か!」

加古「あの...東さん
さっき忍田さんに聞いたんですけど...
まきさん復帰したって
本当ですか??」

東「あぁ...その話か...」

加古「やっぱり本当なんですね!」

東「そうらしいな...」

加古「らしいって...
まさか...また何も聞いて
無かったんですか?」

東「...まぁな」

加古「はぁ...全くもう
まきさんったら...
それで東さん落ち込んでたんですか?」

東「落ち込むって...はは
まぁそんなところだよ。」

(((prrrrr

東「!」

加古「あら?二宮くんからですね、
どうぞ出てください」

東「すまないな。
はい、もしもし?どーした?」

二宮「東さん!先程本部内で
まきさんが倒れて...」

加古「!??
まきさんが!??」

二宮「その声は加古か...」

加古「そんなことより二宮くん
どういうことか説明しなさいよ!」

二宮「あぁ...たまたまランク戦帰りに
本部の廊下を歩いていたら
まきさんらしき人を見かけて
声をかけようと思ったら
壁に手をついてそのまま倒れたんだ。
その後は俺が運んで今医務室にいる
とにかく東さんに来てもらおうと思って...」

加古「東さん!!
早く行ってあげてください!」


東「...俺は行かないよ」

加古「何言ってるんですか!!
まさかさっきのことで...」

東「...」

二宮「???東さん
来ないんですか?」

加古「二宮くんとりあえず
まきさんの傍にいてあげて
東さんは私が連れていくわ!」


東「あ、おい!加古!」

二宮「分かった...
では東さん医務室で待ってます。」

((ピッ

東「おい、加古...
俺は行かないぞ...」

加古「東さん何言ってるんですか!」
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