気付かぬ想い

□第5話
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私は彩さんに助けてもらった日から彩さんのことが頭から離れなかった。美人だったなぁ…。あの日、連絡先は交換したものの何だか連絡してはいけない気がして連絡ができないでいる。また、会えないかなぁ…

「はぁ…」
「何ため息ついてんの?そういえば、部活決まった?」

忘れていた、部活どうしよう。私の学校は必ず部活に入らなくてはいけないというルールがある。

「いや部活何入ろうかなって悩んでるんだけど、どれもこれもしっくりこなくって…写真部もないみたいだし、どうしよう…愛梨ちゃんは?」

写真が好きな私は中学の頃写真部に入っていた。この学校は第一志望校だったが、写真部がない事にだけ不満を持っていた。

「私な、バスケ部のマネージャーやろうと思ってる!あ、そういえば夢莉のこと助けてくれた彩さんもバスケ部なんだって、才色兼備なんだろうな。」
「え、それ本当?私もバスケ部のマネージャーやりたい!」
思わず彩さんがバスケ部ということを知って運動するのは苦手だがマネージャーならできると思いマネージャーを希望した。

お昼休みにバスケ部のマネージャーさんにやりたいことを言いに行ったら愛梨ちゃんのお友達だったらしく助かる!と嬉しそうにOKしてくれた。

「なんで、そんなに嬉しそうな顔してるん?」
「え、そんな顔してた?気のせいだよ」

口ではそんなことを言っていたが、本当は彩さんに放課後会えることがわかってからなんだか心がワクワクしている。なぜだろうか…

放課後になり体育館へ行くと、たくさんの女の子たちが誰かを待っているようだった。誰を待ってるんだろう?その時だった。

「「「彩さんー!!!、恵さん−!!!」」」

黄色い声がする方を見ると彩さん達がいた。どうやらたくさんの女の子たちは彩さんとその隣にいる人を待っていたようだ。やっぱり彩さんは人気なんだ…

しばらくすると、
「愛梨、夢莉ちゃん!あ、そういえば夢莉ちゃんに名前言い忘れてた、、吉田朱里です!全然タメ口でいいから〜、名前も好きに読んで〜」

あかりんさんと話しているふと彩さんと目があって嬉しかったので笑ってみた。その時、なんだか彩さんの顔が少し赤くなったような気がした。気のせいか…

その日はとりあえず自己紹介をして軽いアップをするだけだったようで特にすることはなくずっと見ているだけだった。

「かっこいいなぁ。」

心の声が出てしまった。

「な、かっこいいやろ、恵ちゃんとさや姉バスケ部の2トップやねん。どっちがタイプ?」
「えっ、」
「冗談、冗談。あ、言っとくけど恵ちゃんはあかんで」

質問を真に受けてしまった。冗談やでと言われたが彩さんと言ってしまいそうになった。なんだろう、この気持ち。今まで女の子から告白されたことはあったが、誰かのことを特別好きだと思ったことは一度もなかった。これを恋というのか…それとも助けてもらったからかっこよく見えるのか…


愛梨ちゃんにこの後空いてるかを聞かれた。正直なところ、さっきから彩さんのことが頭からいっぱいで何も考えられずこの後空いてるのでとりあえず二つ返事でOKをした。やる事もないし早めに帰っていいよと言われたので少し早めに学校を出た。
駅までの途中でふと、前みたいに彩さんと一緒に帰りたかったなぁと思った。今度声をかけてみよう。


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