気付かぬ想い

□第7話
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キーンコーンカーン♪

「ただいま〜」
「おかえり〜、機嫌いいねぇ笑笑」
「そーお?」

機嫌がいいという自覚は全くなかったけど、今日は火曜日だから3日後はまた一緒にお昼ご飯を食べれるということを考えるとなんだかきんようびが待ち遠しいという気持ちでいっぱいだ。

「太田さん、太田さん」
「は、はい」
「太田さん授業終わったら、ちょっと来るようにね」

金曜日のことをボーッと考えてたら、先生に急に呼ばれて焦った。愛梨ちゃんいわく、あの先生はおじいちゃんでほんわかしてそうなのに厳しいらしくどんまいと言われた。新学期早々呼びだされ、どんなことが待っているのだろうと正直不安だ。

「先生なんだって?」
「そんな興味津々に聞かないでよ、、放課後、まだ1年の図書委員決まってないから今日のお当番頼まれちゃった。座ってるだけでいいみたいだけど居ててね、って言われた。」
「じゃあ、今日の放課後の寄り道はまた今度だね。」
「うん、、また誘って、、」

正直なところ、本を読むのは得意な方じゃないし放課後は愛梨ちゃんと少し寄り道をして帰ろうと思ってたから少し嫌だなと思っていた。元はといえば自分が真面目に聞いてなかったのが悪いんだけど、、、

ここだ。木でできた大きな扉を開ける。この学校は今年で創立100年を迎える昔からある学校でこの学校にしたのはこのどこかレトロな感じが出ているのが好きだったこともあったりする。あれ、もしかして窓側のテーブルに座って勉強してるのって彩さん?話しかけてみようかと思ったが、日差しが差し込むテーブルで本を読んでいる姿があまりにも綺麗で声をかけることが出来ずじーっと見つめていた。

「え、、夢莉ちゃん?」
「あ、すみません。つい見つめちゃって、、」
「あ、べつにそんなこと気にしないでいいんだけど、、。そんなことよりもどうしてこんなとこいるの?ここで学生に会うのはじめて、、」
「いや、実は、、」

と、事情を説明するとそんなことがと笑われた。彩さんに会うまでは憂鬱な気持ちだったが、彩さんにあったらそんな気持ちどこかに飛んで行った。

「彩さんはどうしてここに?」
「ここ、お気に入りの場所なんだよね。ほらこんなに綺麗に日差しが入るでしょ、しかもなんといってもこの木と匂い!なんだか落ち着くんだ、、。」
「、、可愛い。」
「なんか言った?」
「い、いや」
「なんか私のお気に入りの場所、全部夢莉ちゃんに見つかっちゃう。2人だけの秘密。」
「は、はい。」
これで、彩さんと秘密が2つになった。なんだか秘密って特別な感じ、、。

最終下校まで彩さんは図書室にいたので一緒に帰ることになった。


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